
「未経験からでもサーバーサイドエンジニアになれるかな?」
「求人には未経験不可って書いてあるものばかり・・・応募しても落ちるのでは!?」
たしかにプログラマー関連の職種は未経験だと就職できないイメージがありますよね。求人票にも「未経験不可」と書かれているものが多いので、未経験だと最初から諦めてしまいがちです。
しかし諦めることはありません。求人票に「未経験不可」と書かれていても、未経験でも雇ってくれる会社はあります。過不足なく働けるだけのスキルさえあれば、未経験でも「書類選考・面接」を通過することができるんです。
(関連:サーバーサイドエンジニアの平均年収と給料の上げ方)
問題は いかにしてスキルをアピールするかという点。それではどのように対策していければいいのか?本記事では「未経験からサーバーサイドエンジニアを目指す方法」として以下の内容を紹介していきます。
●未経験からサーバーサイドエンジニアに就職・転職するにはどうすればいいのか
●サーバーサイドエンジニアの仕事内容
未経験でもサーバーサイドエンジニアへの転職は不可能ではない
未経験からでもサーバーサイドエンジニアになることは可能です。
ただし、特に何も準備しないで面接に挑んでも即落とされてしまうのがオチでしょう。それでは「どのような準備をして、どんなスキルや資格を身につけておいた方がいいのか?」を説明していきます。
プログラミングスキルを磨く
まずはプログラミングスキルを磨く必要があります。サーバーサイドエンジニアを目指すなら「PHP・Python・Rudy」いずれかの言語習得が必要です。
これらの言語を駆使して「簡単なWebアプリを1人で作れるレベル」になっておくのが望ましいでしょう。
その他にも「HTML・CSS・JavaScript」の知識も身につけておくとベターです。このあたりはフロントエンドエンジニアの作業となり、サーバーサイドエンジニアなら本来必要ないものなのです。
ただ、会社規模によってはサーバーサイドエンジニアがフロントエンドエンジニアの仕事も担当しなくてはいけない場合があります。
基本情報処理技術者試験を取っておく
基本情報処理技術者試験という資格があります。これを取得しておくと、IT系の就職活動を有利に進めることが可能です。
また、この資格を取っておくと履歴書でアピールできます。IT業界未経験では、スキルを持っていたとしても書類選考で落とされてしまう可能性があるのです。
そのため、「私は一定のスキルを持っています」というのを理解してもらうためにも、基本情報処理技術者試験は取っておくべきでしょう。
ポートフォリオの出来が採用を決める
プログラミングスキルをある程度身につけ、基本情報処理技術者試験も取れた状況なら、サーバーサイドエンジニアになるための基礎力は身に付いています。
次はこのスキルを活かして、何かWebアプリを作成してみましょう。Webアプリは簡単なものでかまいません。とにかく自力で何かを生み出すことが重要です。
サーバーサイドエンジニアのエントリーシートには、自作アプリ(URL)を載せる項目があり、何か見せれるものを作れば未経験でもスキルをアピールできます。
※大雑把でも作ってしまいましょう。後でいくらでも改良することができます
30代でサーバーサイドエンジニアを目指すのは少し厳しい
あなたが30代の場合、サーバーサイドエンジニアを目指すのは少し厳しいかもしれません。サーバーサイドエンジニアに関わらず、プログラマーは年を取ってくると求人がどんどん減っていく傾向です。
プログラミングは一般的に若いほうが有利だと言われています。もちろん30代超えのプログラマーも活躍していますが、知識と経験量で補っている場合がほとんどです。未経験の30代である場合は知識や経験量で補うこともできず、厳しい状況となります。
ただし、30代が不可能という訳ではありません。ポートフォリオを入念に作り込み、すでにスキルがあることをアピールできれば転職することも可能です。
未経験からサーバーサイドエンジニアになった実例
未経験からサーバーサイドエンジニアになった実例を紹介します。
年齢 | 30代 |
---|---|
性別 | 男性 |
前職 | メーカー勤務 |
備考 | プログラマミング知識は多少あり |
こちらの男性、最初はフリーランスで働こうと思っていましたが、未経験が獲得できる案件は単価が低いと断念しました。
また、先輩に教えてもらえる環境で働いた方がよいと思い、企業に就職することを決めました。社会人バイトも考えたのですが、条件が悪いと思いこれも断念したのです。
1日8時間も社会人バイトをするなら、正社員として働いて実務経験を積んた方がよいと考えます。転職先はWantedlyというサイトで探しました。Wantedlはスタートアップ企業が多く、やりがいを求めて就職活動を行う人が多く利用しています。
しかし、彼は就職活動中に「未経験からは転職できない。未経験は中途ではなく新卒を取る」と言われてしまいました。それでもめげずに就職活動を続けていたところ、見事面接へと進んで内定を獲得したのです。
このように、未経験からでもサーバーサイドエンジニアに就職できるような人はいます。彼の場合、元々のプログラマミング知識が面接で評価されたのでしょう。
未経験からサーバーサイドエンジニアになるにはITの勉強が必要不可欠!
未経験からサーバーサイドエンジニアになるにはプログラミングの勉強が必須です。それでは、プログラミング未経験者が勉強する場合はどのようにすればいいのでしょうか。
以下では2種類のやり方について説明します。どちらのやり方にも「メリット・デメリット」があるので、自分に合った方法を選んでいくようにしましょう。
プログラミング(PHP・Python・Rudy)の勉強方法
サーバーサイドエンジニアを目指すなら、まずは「PHP・Python・Rudy」いずれかのプログラミング言語を勉強しましょう。この中でもっとも簡単に習得できると言われているのはPHPです。
ただし、プログラミング言語は人によって相性があります。PythonやRudyの方が出来る人もいるでしょう。その人に合った言語を選択して勉強するのが重要です。
求人数が多いのはPHPを使う仕事ですが、将来性はPythonの方が上という声も多いです。PythonはAI分野で活躍することが多いため、今後主流になるのでは?と言われています。
独学のメリット・デメリット
独学で勉強するメリットは、コストがあまりかからないという点です。
プログラミングを独学で学ぶには書籍を購入し、例にあるソースコードを実際に打ち込んで正しく動作するか確認していきます。
慣れてきたら少しずつ例のソースコードを変えてみて、どのように動くのかを見ていきましょう。書籍を購入する以外にも、動画学習サイトを使って勉強を行っていくというやり方もあります。
独学のデメリットは、不明点があったときに質問できないことです。ネット上で質問することもできますが、回答者が誰かわからないので正確さに疑問符がつきます。
スクールのメリット・デメリット
プログラミングスクールに通い、プログラミングを学ぶという手もオススメです。TechAcademyやTECH::CAMPといったスクールで、プロのサポートを受けながら勉強していくことができます。
スクールのデメリットは費用が大きいこと。プログラミングスクールは、平均10万円くらいの受講費用が必要となります。サーバーサイドエンジニアになれるなら安い金額ですが、なれるかどうかはスクールではなく自分次第なところがあります。
サーバーサイドエンジニアの就職先
サーバーサイドエンジニアの就職先はどのような企業があるのか。プログラマーは「ブラック」なんて言われたりもしますが、決してすべての会社がそうではありません。待遇がよい所もあるし、悪い所もあります。
システム開発会社・Web制作会社
サーバーサイドエンジニアの就職先は、システム開発会社やWeb制作会社があります。主な事業内容はそれぞれ以下の通りです。
- システム開発会社 ⇒ Webアプリの開発がメイン
- Web制作会社 ⇒ Webサイトの作成
システム開発会社は自社製品を開発して売り出している所もあれば、他社から「こんなWebアプリを作ってほしい」と依頼されている会社もあります。「B to C」「B to B」と言われる企業です。
システム開発会社とWeb制作会社、会社としてやっていることは多少変わりますが、作業内容が大きく変わるという訳ではありません。近年はどちらの会社も事業の幅が広がっているように感じます。それだけIT業界(Web業界)が伸びている証拠です。
安定しつつ、将来性のある企業を選ぼう
IT業界(Web業界)は時代の移り変わりがとても激しく、少し流行から外れた方向に進むと衰退してしまうことはよくあることです。
今現在繁栄している会社を選ぶというよりも、安定しつつも将来性のある会社を選んだ方が賢明です。企業の株価は見ておいた方がよいですし、その会社がどんな事業を行っているのかも見てみましょう。
また、Web業界の社長はTwitterなどのSNSで情報発信していることが非常に多いです。それらの情報から、どんな事業を行っているのか調べてみるのもオススメです。
サーバーサイドだけやりたいなら大手!幅広くやりたいならベンチャー!
「大手企業とベンチャー企業はどっちにしたらいいのか?」
こんな悩みを持っている人もいるでしょう。大手でもベンチャーでも基本的な仕事内容に変わりはありません。
ただ、大手企業の場合は仕事内容が完全に分断されており、自分の役割が決められていることが多いです。サーバーサイドエンジニアなら「プログラミングだけをひたすらこなす」と言った感じです。
サーバーサイドのプログラミングだけをやりたいなら大手の方がよいでしょう。ただし、大手では企画などに携わりにくいです。
一方でベンチャーは、企画などにも自分から積極的に携わっていくことができます。
また、サーバーサイド側のプログラミングにとどまらず、フロントエンド側のプログラミングをやることもあれば、Webデザインを任されることもあるでしょう。
「サーバーサイドだけやりたいなら大手」「幅広くやりたいならベンチャー」と言えます。会社としての安定性に関しては大手の方が優れていますが、企業は将来性も見て決めるのが重要です。
サーバーサイドエンジニアの仕事内容
ここからはサーバーサイドエンジニアの具体的な仕事内容に触れていきます。
また、サーバーサイドエンジニアはどういった人が向いているのか?これからサーバーサイドエンジニアを目指す方は参考にしてみてください。
サーバーエンジニアの業務
- サーバーサイドエンジニアは、打ち合わせで開発が決まったアプリやサイトに関する説明を受けます。
- その説明にもとに、サーバーサイドエンジニアがプログラムの設計書を作成。
- 設計書の作成後に打ち合わせを行い、他の社員に発表して問題ないかの確認をしてもらいます。
- 適宜修正しつつ、設定書を完成させたら開発をスタートします。
- 開発が終わったらテストを行い、テストが完了したら作成物をリリースして完了です。
- リリース後、ユーザーやクライアントから改良点を言われた場合は、それに従って改良を行います。
1日のスケジュール(納期前は残業多め)
以下はある日のスケジュールですが、その日によって変わることも多いです。会社によっても変わってきます。
「この時間に決まった作業をする」ということはなく、1日中プログラミングを行うときもあれば、ずっと打ち合わせということもあるでしょう。
9:00 | 会社に出社 |
---|---|
9:10 | メール確認 |
9:30 | 今日の作業内容を確認 |
10:00 | 打ち合わせ・仕様変更などの連絡を上司から受ける |
11:00 | 自分のタスクを行う(設計書の確認、仕様の整理等) |
13:00 | 昼食 |
14:00 | 自分のタスクを行う(プログラミング作業) |
17:00 | メール返信作業 |
17:30 | 上司に進捗を報告 |
18:00 | 退社 |
これはあくまでも一例です。納期前は残業が多めになることもあります。特に「B to B」企業の場合、納期は取引先が決めてしまうこともあるんです。
取引先次第では厳しい納期になってしまうこともあり、残業はかなり多めになってしまいます。(自分たちのスケジュールで決められないことが少なからずあります)
プログラマーという職業が「ブラック」「残業が多い」と言われるのは、このパターンがあるからです。
仕様変更があると大変
サーバーサイドエンジニアにとって怖い存在が仕様変更です。
開発前には設計書を見せることになるのですが、その設計書でOKを貰えたにも関わらず、後から「やっぱりここは変更して欲しい」と言われることもあります。このようなパターンはすべて作り直しになる可能性があり、激務にも繋がることもあるんです。
コツコツと頑張れる人が向いている
サーバーサイドエンジニアはコツコツと作業をこなせる人が向いています。「プログラミングの勉強」「実際の仕事」、コツコツとこなしていくことが出来なければ難しいでしょう。
作業の途中で集中力が切れてしまったりする人は、残念ながらあまり向いていないかもしれませんね。ただ、そういう人でもプログラミングに関してはずっと集中できるというパターンも結構あります。
サーバーサイドエンジニアに興味を持った方は、とりあえずはプログラミングの勉強をやってみて、自分がずっとこの作業を続けていけるかどうか考えてみましょう。
コミュニケーション能力も必要
サーバーサイドエンジニアはコミュニケーション能力も求められます。設計書を書いてプレゼンを行わなくてはいけないのでプレゼン能力も必要です。
規模が大きいシステムの場合は複数人で協力して開発することになるので、周囲の様子をよく見ながら作業しなくてはいけません。
コツコツとプログラミングを頑張りつつも、コミュニケーション能力も身に付けておいた方がよいでしょう。これはシステムエンジニアにも同じことが言えます。
(参考:システムエンジニアに必要なコミュニケーションスキル)
休日にも勉強することが求められる
サーバーサイドエンジニアは、就職してからも勉強することが求められます。サーバーサイドエンジニアの仕事で使える技術は、5年~10年経ったら使い物にならなくなることが多いからです。
例えば、現在はPHPが主流言語として扱われていますが、「10年後はあまり使われていないのでは?」と予想している人は多いです。もちろん予想なので、どうなるかはわかりません。
ただ、IT業界はスピードも変化も早いので、常に最新の技術を学んでいかないと置いていかれてしまいます。
サーバーサイドエンジニアは大変だけど将来性あり!
未経験からサーバーサイドエンジニアになるのは、けっして不可能ではありません。
サーバーサイドエンジニアの仕事はまだまだこれからであり、将来性は十分あります。この仕事を本当にやりたい方は、未経験だからと言って諦めずに目指してみてください!