
スタミナをつけたい時の肉料理で上位にあがるのがホルモン!煮ても焼いても鍋にしても美味しいですよね。モツ料理は私の店(山良)でも人気メニューの一つです。
今回の記事では“ホルモンの王様とも呼ばれるマルチョウ”について、以下の内容を紹介していきます。
●マルチョウの調理法(レシピ)
●マルチョウのおすすめな食べ方
焼き肉やもつ鍋で人気な“ホルモン(マルチョウ)”を、自宅でも楽しめるよう元・鍋専門店の料理長が伝授します!
プリプリで脂が美味しい!マルチョウ(牛小腸)のススメ!
「もつ鍋」に入っているモツはどこの部位?この焼肉店、ホルモンの部位はどこだろう。そんなふうに感じたことありませんか?
実は、ホルモンやモツと一言でいっても様々な部位があり、その数は10を超える種類があります。
それぞれ特徴があって味わいも異なりますが、今回は筆者が一番美味しいと感じるマルチョウについて紹介します。味・特徴・調理する際のコツ、そしてレシピや購入方法などをご覧ください。
名前が似ているマルチョウとシマチョウ!その違いや特徴
マルチョウとシマチョウは、どちらも牛の腸の呼び名です。
「マルチョウは牛の小腸」「シマチョウは牛の大腸」のことを言います。(部位は上のイラストの通り)
同じ腸の部位なので、味や見た目がそっくりですが、一番違いを感じるのは食感です。マルチョウ(小腸)は皮が薄く、弾力が弱めであるのに対し、シマチョウ(大腸)は皮が厚く、しっかりとした歯ごたえを楽しめます。
部位 | 食感 | 脂の質 |
---|---|---|
マルチョウ | 皮が薄く、弾力が弱め | こってり |
シマチョウ | 皮が厚く、しっかりとした歯ごたえ | あっさり |
脂の質もやや異なり、マルチョウはこってり。シマチョウはあっさりめな味です。「やわらかでこってりなマルチョウ」と、「歯ごたえがあってあっさりなシマチョウ」という特徴がそれぞれにあります。
どちらが美味しいかは好みによりますが、本記事では私が惚れ込んでいる“マルチョウの魅力”について、より詳しく紹介していきます。
マルチョウの口コミや評判(硬さや臭み)
マルチョウについて口コミや評判を調べてみました。InstagramやTwitterでは、以下の意見が多かったです。
- 脂が甘くて美味しい!めっちゃくちゃうまいけど、食べ過ぎはよくない(笑)
- 口の中でとろける!ご飯がすすむ君で間違いなし。この脂こそホルモン!
- ぷりぷりの食感!ヨダレ出る。写真見るだけで旨いんだろーな。
- 参考:Instagram
マルチョウは、その脂の美味さと独特の食感が好評を得ているようです。逆に否定的な意見としては、「焼肉店では火が上がって焼きにくい」というくらいでした。
マルチョウをおすすめするポイント3つ!
私がマルチョウを“おすすめする大きな魅力”は次の3つです。
- とにかく脂が美味しい!
- 皮が薄くて食べやすい!
- 臭みが少ない!
マルチョウの最大の魅力は、なんと言っても濃厚な脂の美味しさにあります。
噛むとジュワッと滲み出る豊潤で上質な脂は、上等な牛肉でもマネできない味わいです。
マルチョウの特徴
マルチョウは皮の薄さも特徴!弾力はあるものの、薄くやわらかいです。他の部位に比べると、比較的噛み切りやすく食べやすいです。
臭みの少なさも“おすすめできるポイント!”
ホルモンはどの部位にも独特の匂いがありますが、マルチョウは臭みが極めて少なく、下ごしらえも短時間!
モツが苦手な方でも安心して食べられます。
これで失敗なし!マルチョウのおすすめ調理法(レシピ)
ホルモンはどの部位も独特の匂いがあり、下ごしらえが欠かせません。匂いの少ないマルチョウですが、一手間かけることでより美味しくなるので、まずはその手順を紹介します。
【マルチョウ】下ごしらえの方法
マルチョウの臭みを取るには、湯に通すのが一番です。手順としては以下の3行程です。



皮の硬さや弾力が気になる場合、包丁で皮に細かい切り込みを入れましょう。歯切れがよく、食べやすくなります。
もつ鍋や焼肉だけじゃない!マルチョウのおすすめ料理2選!
マルチョウはもつ鍋や焼肉で食べるのが一般的ですが、今回はそれら以外でマルチョウのおすすめ料理レシピを2つ紹介!これなら家庭でも簡単に作れます。
【レシピ1】マルチョウの生姜焼き

さっぱりな千切りキャベツと一緒にどうぞ。ご飯とビールが進みます!
- マルチョウ 100g
- 玉ねぎ 20g
- キャベツの千切り 適量
- 醤油 40c
- みりん 20cc
- 酒 20cc
- おろし生姜 5g
- フライパンに薄く油をひき、強火でマルチョウを皮面から焼きます。皮に焼き色がついたらひっくり返し、玉ねぎを入れます。
- 玉ねぎがしんなりし、マルチョウの脂が透き通ったら、合わせ調味料とおろし生姜を加えます。この時、お好みでおろしニンニクを少し入れても美味しいです。
- タレが少し煮詰まり、とろみと照りが出たら完成です。
【レシピ2】マルチョウの酢もつ刺身風

オニオンスライスと一緒に酢醤油やポン酢醤油につけて、お刺身のようにどうぞ!冷えると脂が固まるので、早めに召し上がってください。
- マルチョウ 100g
- オニオンスライス 50g
- 小ねぎ 適量
- いりごま 適量
- 柚子胡椒もしくはわさび 適量
- 酒 少々
- ポン酢もしくは酢醤油 適量
- 鍋に水と少しの酒を入れ、火にかける。沸いたらマルチョウを入れ、沸騰させないフツフツしてる状態の中火で約5分茹でる。グラグラと沸騰させないのは、脂が溶けてなくなってしまうのを防ぐためです。
- 湯に入れる前は白かった脂が、透き通った色になったのを確認できたらザルにあげ、水気を切る。
- 温かいうちに皿に盛り付け、小ネギとごまを振り、横にオニオンスライスと柚子胡椒(わさびでも可)を添えたら完成。
マルチョウの購入方法と産地の違いについて
マルチョウは一般的なスーパーや精肉店、ネット通販で買うことができます。値段はお店にもよりますが、国産品では100g辺り350~400円、アメリカ産では100g辺り150~200円前後です。(2019年7月調べ)
※私が今までに実食し、扱ってきた上での個人的な経験に基づく実感です
国産でもアメリカ産でも、同じマルチョウなので味は似ています。ただ、「これは美味い!」と感動できる満足度は、日本国産の方が秀でていると感じました。
今回のまとめと筆者について
モツやホルモンといって様々な種類がある中で、一番おすすめしたいマルチョウについて紹介しました。
私は中目黒にある鍋専門店に勤めていて、マルチョウの味や調理法を教えてもらった経験があります。そこでマルチョウの魅力に感動したため、今回の記事として書かせて頂く運びとなりました。
現在は「とんかつ兼小料理屋」を営んでいますが、当店でもマルチョウの料理をお出ししております。もつ鍋はもちろんマルチョウの創作料理もお出ししています。
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お客様の中には「今までモツは苦手だったけど、このモツは食べられる」と仰って頂けたことがあり、マルチョウの味をお伝えできて、大変嬉しく思いました。
マルチョウは煮て良し焼いて良し、臭みも少なく歯切れもよい。鍋だけにかぎらず、色々な食べ方があるので、ご家庭でもマルチョウの魅力を楽しんでみてください。