映画『言の葉の庭』あらすじ(ネタバレあり)を徹底解説!秦基博の主題歌「Rain」も話題に!

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave
デビュー作『ほしのこえ』から着々とキャリアを積み重ねていた新海誠監督

記念すべき第5作の監督作品は、2013年5月31日に公開された『言の葉の庭』です。

過去作の「セカイ系作品」とは違い、『言の葉の庭』では現代の日本のみにフォーカスを当てています。

中央大学文学部(文学科国文学専攻)の新海誠監督らしさが、一番出ている作品と言えるかもしれません。

上映時間は46分。
短編作品の連作アニメ映画『秒速5センチメートル』は63分という上映時間でしたが、そこからさらに短くなっています。

しかし、その短さとは裏腹に、クライマックスでは大きな感動をもたらしてくれる名作に仕上がっています。

今回の記事は、映画『言の葉の庭』のあらすじを「ネタバレあり」で解説した内容です。

ネタバレなしで知りたい方は、作品概要見どころだけご覧ください。そこまでは「ネタバレなし」の紹介です。

「ネタバレありで読みたい!」という方は最後までご覧いただき、動画フルで視聴したい方は、以下ページで無料視聴の方法を解説しています。
(参考:『言の葉の庭』を動画フルで視聴!

映画『言の葉の庭』の作品概要

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

「”愛”よりも昔、”孤悲(こい)”のものがたり」

ある年の6月。

職人を目指す高校生・タカオは雨の朝は学校をさぼって、日本庭園で自分の夢に向け、靴のスケッチを描いていました。

タカオは雨宿りのための建屋で、偶然朝から缶ビールを飲んでいるユキノと出会い、雨の日はずっと2人で時間を過ごしていきます。

しかし、季節は移り変わる。梅雨の終わりが、2人の別れを伝え始め・・・

新たな元号である「令和」の典拠ともなり、一時ブームを迎えた日本の古典「万葉集」の世界観を映像化し、作品の中にも「万葉集」の歌を引用しています。

2人が結ばれる「愛」ではなく、それぞれが一人で想い願う「孤悲(こい)」を描いた切ない物語。

日本的情緒が感じられ、現代日本における恋の物語と言えるでしょう。

公開日2013年5月31日
上映時間46分
興行収入1億5000万円(推定)
監督新海誠
音楽KASHIWA Daisuke・秦基博
キャスト入野自由 関根航 花澤香菜 平野文 前田剛
予告(YouTube)『言の葉の庭』予告編
公式サイト『言の葉の庭』公式
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『言の葉の庭』の見どころ

キャラクターの気持ちを表現するような「雨」
キレイな背景や景色は、新海作品の魅力の1つ。『言の葉の庭』もその魅力を充分堪能できますが、中でも印象的なのが「雨」です。


主人公の少年・秋月孝雄と、ヒロインである雪野百香里が初めて会うのは梅雨の時期。夕立や通り雨、豪雨など、さまざまな種類の「雨」が画面の中で表現されています。


それはまるで、2人の心情を描写しているようでもあります。のちの新海作品『天気の子』でも「雨」が描かれているので、この2作品を「雨」に注目して見比べるのも面白いかもしれません。
「孤独」を抱えたヒロインとの関係
公式ホームページでは、この作品を「愛に至る以前の孤独—。“孤悲”の物語」と表現しています。デビュー作『ほしのこえ』以降、新海監督は思春期の少年少女を描き続けてきました。


しかし本作『言の葉の庭』では、15歳の男子高校生と、27歳の女性が主人公です。「雨」「万葉集」など様々なモチーフを交えながら、年の差がある2人の交流を描いています。


主人公の孝雄は奔放な母親に手を焼きながらも、すでに将来の目標も見据えている大人びた少年です。そんな孝雄が惹かれていく百香里は、どこか憂いがあって孤独を感じさせる女性。


物語が進むにつれて、百香里が抱えている悩みは明らかになっていくのですが、孝雄は彼女が持つ苦悩とどのように立ち向かうのか。その様子に、視聴者は胸を打たれます。
人気声優の名演
新海作品の声優というと、TVで活躍している俳優が演じているイメージを持たれるのではないでしょうか。


しかし本作では、孝雄を入野自由さん、雪野を花澤香菜さんという名実ともにトップクラスの声優が演じています。


入野さんは前作の『星を追う子ども』に続いての出演。一回り年上の女性に恋心を抱き、複雑な心情を見事に声の演技で伝えてくれます。


一方花澤さんも、深刻な悩みを抱えた大人の女性が、男子高校生に惹かれていく心の動きを声で表現しています。

映画『言の葉の庭』のあらすじとネタバレを解説!

ここから先は、ネタバレありのあらすじを解説していきます。

『言の葉の庭』をこれから視聴する方は気をつけてください。

6月、東京、雨

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave
6月、東京、雨の日―。

高校生のタカオは、いつも通り雨の日の午前をさぼって、靴のデッサンを描こうとある公園の日本庭園にある建屋に向かいます。

そこには朝からビールを飲んでいる「女性=サユリ」がいました。

どこかで見た気がするその女性に「どこかでお会いしましたか?」と尋ねるも、記憶になく「人違いです。すみません」と謝り、デザインを描き続けます。

女性はタカオの制服を見て、何かに気づき、「合ってるかも」と言った後、よくわからない歌をタカオに向かって詠みました。

「鳴る神の、少し響(とよ)みて、さし曇り、雨も降らぬか、君を留(とど)めむ」

靴職人になるため励むタカオ

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave
タカオは、母・兄のショウタとの3人暮らし。
母は一回り若い男のところに出ていき、兄は彼女との同棲を決めて出ていきました。

食事や家事をしながら、タカオは靴職人になるための勉強に励みます。

靴作りの専門学校へ入るためにお金が必要なので、日々バイトにも明け暮れていました。
その間も、雨の日の午前中は建屋に向かい、女性と会っていました。

会うたびに親しくなってきた2人は、互いにその時間を待つようになります。
けど、タカオは女性について何も知りません。

「あの人が住む世界はとても遠い。世界の秘密そのものみたいに、彼女は、見える」

タカオの中で、あの女性は靴職人になること以外にも、自分を違う世界へと連れてっていってくれる存在になりつつありました。

「はっきりとわかっていることは2つだけ。あの人にとって15の俺はきっと、ただのガキだということ。そして、靴を作ることだけが、俺を違う場所に連れてってくれるはずだ、ということ・・・」

明かされるサユリの心情

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave
梅雨入りを迎えた東京で、2人の逢瀬は重ねられていました。

タカオは誰にも話していない「自分の夢のこと」をサユリに話すようになります。

タカオは、子ども時代に母に靴をプレゼントしていた時の夢を見ています。
それから靴職人になることが夢となったのです。

幸せそうに建屋で眠るタカオに、サユリは話しかけます。
「ねえ、わたし・・・、まだ大丈夫なのかなあ」

サユリの家には、ゴミ袋やビールの空き缶が散乱しています。
サユリは味覚障害を患っていました。

いつも食べていたチョコレートとビール以外の味を感じなかったのです。
元カレに職場の退職手続きを任せていたサユリ。

「この人はいかにも優しそうに話す。まるで壊れ物に触れるみたいに。でも、息をするのもつらかったあの頃。あなたは周りの声ばかりを聞いていて、わたしを信じてはくれなかった」

サユリは孤独を生きていました。
そして、その孤独を晴らす場所はどこにもなかったのです。

「あれ以来、わたし・・・ウソばっかりだ・・・」

いつもの場所に2人はいました。
タカオが欲しがっていた靴の本をユキノはタカオにプレゼントしました。

喜んだタカオは、今作っている「誰の靴かは決めていない靴」を、サユリの足で測らせてもらいたいと頼みます。

サユリは足を差し出しました。そして、タカオに足を測られている時に、ふとこぼします。
「わたしね、うまく歩けなくなっちゃったの、いつの間にか。」

人生全部に対してうまくいかなくなったと、初めて自分のことをさらけ出したサユリに、「この人のことを何も知らな」いタカオは思いを募らせていくのでした。

7月、8月

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave
東京で梅雨明けが宣言され、晴れの日ばかりが続くようになりました。

サユリの心中がようやくここで明らかになってきます。

「あの子が授業をサボる口実が減ってよかった・・・なんて、今さらみたいに考えたりはするけど、でも本当は、梅雨は・・・明けてほしくなかった」

晴れが続く庭園にはタカオの姿はありません。
来る人来る人の気配を感じては、タカオの姿を探しているサユリ。

「晴れの日のここは・・・違う場所みたい」
タカオは庭園に訪れる口実を見つけることができず、夏休みを迎えました。

専門学校(学費)のために、ほぼ毎日バイトに精を出していたタカオ。

「あの人に会いたいと思うけれど、その気持ちを抱えこんでいるだけでは、きっといつまでも・・・ガキのままだ」

サユリと同じ大人になるために、靴制作の勉強に励んでいました。
ずっと庭園にいるサユリ。

サユリもタカオに対する思いを募らせていました。
自分に対する負い目を抱えながら。

「27歳のわたしは、15歳の頃のわたしより少しも賢くない。わたしばっかりずっと、同じ場所にいる」

9月、2学期の始まり

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave
9月、学校が始まりました。

タカオは同級生と夏休みに何を過ごしていたかしゃべっていると、職員室から出てきたユキノと廊下ですれ違います。

ユキノはタカオの学校の教師だったのです。
タカオは同級生にユキノの話を聞きました。

3年生の女子生徒と揉めていたこと、誰かの彼氏がユキノにホレてしまい、その嫉妬で逆恨みして、ユキノに嫌がらせをしていたらしいこと。

ユキノは、そのせいで学校が来れなくなるように追い込まれてしまい、学校をやめるんだということも・・・

タカオは、その3年生の女子生徒の名前を聞いて、3年のクラスを訪ねていきます。

「ユキノ先生が辞めるそうですね」と伝えると、「知らないわよ、あんなインランばばあ」と言われ、キレたタカオは、その女子生徒を叩きます。

しかし、タカオは取り巻きにボコボコにされてしまいました。
次の日、晴れた庭園の中。

タカオは庭園へと向かい、ユキノと出会いました。

最初に会った時、言われた歌。
その返歌をユキノに伝えます。

「鳴る神の、少し響(とよ)みて、降らずとも、我は留まらむ、妹(いも)し留(とど)めば」

「雨が降ったら、君はここにとどまってくれるだろうか」という歌に対して、「雨なんか降らなくてもここにいるよ」と答えた歌。

ここで2人はお互いを知ることになったのです・・・。

2人の距離は急速に近づく

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

そして、雨はどしゃ降りになります。
2人は走って、いつもの建屋に雨宿り。

風も強い。台風が来たようです。
ずぶぬれになった2人は、服を乾かすため、ユキノの家に来ました。

まるでずっと住んでいたかのように、アイロンをかけるユキノと、料理を作るタカオ。
2人は楽しく食事をしました。

「今まで生きてきて、今が一番幸せかもしれない」

2人は言葉に出さずに、それぞれがそう思います。
そして、タカオはふとサユリにこぼしました。

「俺はユキノさんが好きなんだと思う」

教師の立場を忘れられないユキノは、タカオに対してこう答えてしまいます。

「ユキノさんじゃなくて、先生・・・でしょ」

そして、ユキノは四国の実家に帰ることをタカオに伝えます。

「わたしはずっとあの場所で、一人で歩けるようになる練習をしてたの・・・靴がなくても」

ユキノにすべてを拒否されたタカオは、「今までありがとう」とユキノはタカオに伝え、家を出る用意をし始めました。

「俺帰ります。色々ありがとうございました」

タカオは出ていってしまいます。重いドアの音が、にぶく響きました。

『言の葉の庭』ラストシーン・エンディング

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

ユキノは一人で泣いていました。
タカオの語り掛ける声が、ユキノの中に鳴り響きます。

「鳴る神の、少し響(とよ)みて、降らずとも、我は留まらむ、妹(いも)し留(とど)めば」
タカオが詠み上げた万葉集の返歌が頭をよぎり、ユキノは意を決したように裸足で家を飛び出します。

マンションの階段を駆け下りていると、階段の踊り場で街並みをぼーっと眺めていたタカオがいました。

ユキノのことは「嫌いだった」と言い放つタカオの抑えていた感情が爆発します。

「自分のことはなにも話さないくせに、人の話ばっか聞き出して!俺のこと生徒だって知ってたんですよね?汚いですよ、そんなのって!」

誰にも言わない秘密を共有した、そんな経験が何よりタカオには特別だったのです。

「あんたが教師だって知ってたら、俺は靴のことなんてしゃべらなかった!どうせできっこない、叶いっこないって思われるから!どうしてあんたはそう言わなかったんですか?!・・・(中略)・・・俺が何かに、誰かに憧れたってそんなの届きっこない、叶うわけないってあんたは最初から分かってたんだ!だったら、ちゃんと言ってくれよ!邪魔だって!」

タカオの気持ちは届いていませんでした。
ユキノは自分だけのことを考えて、人のことなんて考えていない!

「あんたは!あんたは一生ずっとそうやって!大事なことは言わないで、自分は関係ないって顔で、ずっと一人で生きてくんだ!」

ユキノはタカオに駆け寄り抱きつきました。
自分の中からあふれてくる涙が止まりませんでした。

「毎朝、毎朝ちゃんとスーツを着て、学校に行こうとしてたの。でも怖くって。どうしても行けなくて・・・。あの場所で・・・、わたし・・・、あなたに救われてたの!」

・・・ユキノは実家へ旅立ちました。
タカオは、変わらぬ生活を続けています。

しかし、タカオの中にはいつまでもユキノの存在が目に浮かんでいます。

「あの人はどうしてしているのだろうかと、思う」

冬、あの庭園の建屋。

サユリから届いた手紙を手に、タカオはサユリのための靴をそっとベンチに置きます。
どこかの学校で夕空を見上げるサユリの姿。

「歩く練習をしていたのはきっと俺も同じだと、今は思う。いつかもっと遠くまで歩けるようになったら・・・、会いに行こう」

『言の葉の庭』の感想(ネタバレあり)

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

『言の葉の庭』は、新海監督が得意とする恋愛描写や、キャラクターの心情表現を存分に味わえる作品です。

年齢差、そして物語が進むにつれて明らかになる関係を、2人はどのように乗り越えて親密になっていくのか。

新海作品特有の美しい自然のカットを織り交ぜながら、それらが丹念に描かれていきます。

前作『星を追う子ども』では、それまでの作風から変わったことで賛否両論がありました。

しかし『言の葉の庭』には、それまでの新海作品「らしさ」が感じられ、従来のファンも満足できる作品になっています。

関連・類似作品との比較や共通点

『言の葉の庭』では、それまでのスタッフ陣から大きく変更しています。

まず一番は音楽。デビュー作の『ほしのこえ』以来、新海作品の音楽はずっと天門さんが担当していました。

しかしこの作品では、天門さんからKASHIWA Daisukeさんへと変更されています。

また、過去2作で作画監督・キャラクターデザインを務めていた西村貴世さんは、原画のみの担当となりました。

新たに土屋堅一さんが作画監督とキャラクターデザインを担当しています。

新海作品の大きな魅力である美術の監督は、前作『星を追う子ども』で初参加した滝口比呂志さんが務めました。

『言の葉の庭』の公園の聖地巡礼!舞台はどこ?

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

タカオとユキノが初めて出会い、交流を深める場となる印象的な公園にモデルはあるのでしょうか。

実は、この公園のモデルになったのは、東京にある新宿御苑です。

2人が雨宿りをする場所は、「東屋(あずまや)」と呼ばれる庭園の休憩場所として設置された簡易的な建屋。

灰色の景色の中で清々しい緑がたちこめ、雨のにおいがしてきそうなキレイなところでした。

新宿御苑の中に日本庭園内があり、そこの旧御涼亭付近にある東屋が物語のモデルです。

ユキノが缶ビールを飲んでいましたが、実際はアルコール持ち込み禁止。
新宿御苑に訪れる方は注意してください。

『言の葉の庭』の主題歌「Rain」について

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

『言の葉の庭』を解説する上で、欠かすことのできない印象的なエンディング曲「Rain」。

「Rain」は、もともとアーティストの大江千里(おおえせんり)さんの曲です。

1988年に大江さんのアルバム「1234」に収録されたアルバム曲で、シングルカットはされていません。

本作では、歌手の秦基博(はたもとひろ)さんが歌っています。

秦さん以外にも、槇原敬之さんなど多くのアーティストによりカバーされている名曲です。

また、劇中では使用されていませんが、秦基博さんは本作のイメージソング「言ノ葉」を本作のために書き下ろしています。

『言の葉の庭』を思い起こしながら、こちらも聴いてみてください。

『言の葉の庭』の小説を紹介!その他メディアミックスも!

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

新海誠監督作品は、ノベライズなどすべての作品でメディアミックス化されています。
『言の葉の庭』のメディアミックス作品を見ていきましょう。

まずは、小説です。
小説作品は2つ作られています。

新海誠監督自身のノベライズ作品

1つ目に紹介するのは、監督である新海誠監督自身のノベライズ作品「小説 言の葉の庭」です。

本作は、公開から約2ヶ月が経った8月に「ダ・ヴィンチ」で連載が開始され、2014年4月まで続いたものが単行本化・文庫化されたものです。

登場人物の細かい気持ちや過去。
46分という短い上映時間では、描くことのできなかった内容が詳細に書かれています。

加納新太さんの小説『言の葉の庭』

2つ目は、新海誠監督作品ノベライズをほぼすべて担当している、加納新太さんの小説『言の葉の庭』です。

原作はもちろん新海誠監督ですが、加納さん独自の視点で、タカオの内面を中心に繊細なタッチで描いています。

その他:メディアミックスされた作品

小説以外では、原作小説をオーディオブック化したAudible版『言の葉の庭』も2018年11月6日から配信されています。

オリジナルのキャストである入野自由さん、花澤香菜さん、前田剛さん、星野貴紀さん、小松未可子さん、平野文さんが声優を担当。

アニメ版にはない「よさ」を持った素晴らしい作品に仕上がっています。

Audible版『言の葉の庭』
はこちら

Audible版は、Amazonで無料期間があるのでオススメです。
※30日間無料。以降は月額1,500円

Amazonでの口コミも高評価なものとなっています。

新海作品『君の名は。』とのつながり!

言の葉の庭
(C) 2013『言の葉の庭』製作委員会

新海誠監督の代表作『君の名は。』の中に、本作の登場人物たちが出ています。

まずは、古典教師のユキノ。
彼女は、『君の名は。』の主人公である三葉の学校に「ユキちゃん先生」として登場しています。

その他、小説版第7話に登場するキャラクター「勅使河原克彦」や「名取早耶香」も登場。

気づかなかったという方、まだ『君の名は。』を観ていない方は、こちらにも注目して観てください。

『言の葉の庭』の考察・評価・レビュー

言の葉の庭
(C) 新海誠 / Comix Wave

本作はとても静かなドラマであり、極端な出来事は何も起こりません。

それでありながら、ラストの感動はどの作品よりも強く、「新海誠監督の代表作である」と言いたいくらいです。「”愛”よりも昔、”孤悲(こい)”のものがたり」

デジタル技術も使用した、雨の風景の描き方など、本作のしっとりとした映像表現もとても素晴らしく、それだけを観ていても十分楽しめる作品です。

主人公たちの、清らかでありながら凛とした心は、新海誠作品の登場人物たちがもつ共通の性質でもあります。

ただ、本作はSF的な設定もなく、特別な感情もありません。
日常における「想いのすれ違い」を正面から描き出したドラマ作品とも言えるのではないでしょうか。

「ズレ」を描くのがうまい新海誠監督。本作ではタカオとサユリの想いのズレのみ描かれます。

そしてこのような心情描写を、より磨かれたことが次作『君の名は。』の爆発的なヒットに実を結んだと言えるでしょう。

『君の名は。』は、『言の葉の庭』がなければ生まれなかった作品と言えるかもしれません。

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