新海誠監督のアニメ映画作品一覧!長編・短編作品をすべて紹介

天気の子
(C)2019『天気の子』製作委員会

日本の代表的なアニメ監督とも言える「新海誠監督」

『君の名は。』『天気の子』
2作続けて興行収入100億円を超え、映画ファンに高く評価されています。

日本以外でもその知名度は上がり、北米で『天気の子』を公開した際は、初日の興行収入が上映中の全作品中2位を記録しました。

『天気の子』では「雨=気候」というアプローチから、環境問題を絡めた作品となっています。

こういった点は、新海映画の過去作にない「メッセージ性を帯びたストーリー」となり、『君の名は。』に引き続き、海外でもその価値を高く評価されました。

今回の記事では過去作品から最新作品まで、新海誠監督の全作品を紹介していきます。

新海誠作品のアニメ映画から短編作品、合わせてご覧ください。

目次

【新海誠作品】長編アニメ映画一覧

2002年に公開された『ほしのこえ』から最新作まで、作品概要を紹介していきます。

新海作品の共通点
  • めぐり合った男女がいつまでも、どこにいてもお互いを思い続ける。
  • 都会でも田舎でも風景がとにかくきれい。
  • 内省的な男女のモノローグ。

新海誠監督の映画にはこのよう共通点があり、このポイントを意識して観るのもオススメです。さらに深く映画を楽しめるかもしれません。

映画『ほしのこえ』の作品概要を解説

公開日2002年2月2日
上映時間25分
キャスト新海誠 篠原美香
予告動画(YouTube)『ほしのこえ』予告編
公式サイト『ほしのこえ』公式

2002年に単館上映。新海誠監督の劇場版アニメ第1作です。

5年間務めた会社を辞めた後、新海監督は7ヶ月間かけ、すべて一人で制作した作品です。

ほしのこえ
(C) 新海監 / Comix Wave

「一組の男女が、距離と時間が離れていてもお互いを思い続ける」
新海作品すべてに共通するこのモチーフは、この作品からはじまっています。

何気ない「日常の風景」「背景のリアルさ」が随所にあり、新海作品の魅力がここかしこに見られます。

『ほしのこえ』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

ほしのこえ
(C) 新海監 / Comix Wave

中学の同級生ノボルとミカコは、お互いに思い合っていた。

2047年、ミカコは国連宇宙軍の調査隊員に任命されて、旅立つ。

最初は携帯からのメールで届いていたが、次第に何万光年も距離が離れ、どんどんメールが届かなった。

次に届いたメールは9年後。ミカコは15歳のまま、ノボルはすでに24歳となっていた。

ノボルは艦隊に入隊し、ミカコのいる銀河を目指していた。

「距離と時が隔てても思いは一つ」
そんな切ないやり取りをするストーリーです。

『ほしのこえ』のモデル(聖地)は埼玉県(さいたま市)となっています。

映画『雲のむこう、約束の場所』の作品概要を解説

公開日2004年11月20日
上映時間91分
キャスト吉岡秀隆 萩原聖人 南里侑香
予告動画(YouTube)『雲のむこう、約束の場所』予告編
公式サイト『雲のむこう、約束の場所』公式

2004年に公開された本格的長編アニメ。
新海監督は、本作からスタッフと一緒に制作をしています。

本作は、日本が戦争により南北分裂を起こした時代が舞台です。
『雲のむこう、約束の場所』のモデル(聖地)は青森県青森市となっています。

雲のむこう、約束の場所
(C)2004『雲のむこう、約束の場所』製作委員会

特徴的なのは、その世界観。
あったかもしれない「並行世界」を描いていて、日本は大戦直後に南北へと分断しています。

北海道はエゾとよばれ、ユニオンという共産国家の支配下です。

中学生3人「浩紀・拓也・佐由理」が、約束の場所を守ろうとする物語になっています。

いつもは男女一組ですが、本作は「浩紀・拓也の男子」と佐由理の疑似三角関係でした。

『雲のむこう、約束の場所』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

雲のむこう、約束の場所
(C)2004『雲のむこう、約束の場所』製作委員会

主人公は、津軽の中学校に通う主人公の「浩紀・拓也・佐由理」。
物語は、佐由理を取り巻くストーリーとして展開していきます。

3人は踏み入れることのできないエゾ地を、いつも津軽駅から眺めています。

「いつか行ってみたい!」
そんな衝動に駆られ、飛行機を作ろうと思い立ちます。

ところが、その直後に佐由理は行方不明へ。
浩紀と拓也は、ショックで飛行機づくりを断念します。

物語は佐由理がいない世界へとなっていきますが、3年後に「いなくなった理由」を知ることに。

佐由理が夢の中に閉じこもっていることによって、並行宇宙は均衡を保っていたのです。

浩紀と拓也は、世界の平和とバランスよりも、佐由理一人を救うストーリーへと展開していきます。

映画『秒速5センチメートル』の作品概要を解説

公開日2007年3月3日
上映時間1時間3分
キャスト花村怜美 近藤好美 尾上綾華 水橋研二
予告動画(YouTube)『秒速5センチメートル』予告編
公式サイト『秒速5センチメートル』公式
興行収入1億円

2007に公開された『秒速5センチメートル』。
短い3つの物語の連作で、男の初恋を描いています。

SF要素がまったくない本作。初恋が忘れられない男の結末は!?
この映画の見どころはそこにあります。

『秒速5センチメートル』は小説版もあり、そちらも高い評価を受けています。

秒速5センチメートル
(C)2007『秒速5センチメートル』製作委員会

そして山崎まさよしの名曲「One more time, One more chance」
大ヒット曲ですが、本作の主題歌になったことで、さらに多くの人の記憶に刻まれる名曲となりました。

『秒速5センチメートル』のモデル(聖地)は、東京(代々木)・栃木・鹿児島(種子島)などです。

『秒速5センチメートル』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

秒速5センチメートル
(C)2007『秒速5センチメートル』製作委員会

主人公の貴樹と明里。
小学生の2人はいつも一緒ですが、卒業と同時に明里が栃木に転校します。

やがて貴樹の家も鹿児島に転居することがわかり、2人は遠くへ行く前にひと目会いたいと、駅のホームで待ち合わせます。

折しも大雪になって、電車は進みません。

焦りと不安を募らせる貴樹。
何時間も遅れてたどり着いた駅の待合室で、明里は待っていてくれるのか?

恋心を抱く二人の男女。

「時間」と「距離」による心の変化は、見どころポイントでもあります。
この映画ならではの表現方法を楽しんでください。

映画『星を追う子ども』の作品概要を解説

公開日2011年5月7日
上映時間1時間56分
キャスト金元寿子 入野自由 井上和彦
予告動画(YouTube)『星を追う子ども』予告編
公式サイト『星を追う子ども』公式
興行収入2,000万円(推定)

死者を蘇らせようとする物語『星を追う子ども』。
本作は2011年に公開されました。

ファンタジー要素が多く、他の新海誠作品と異なった作風です。

新海監督は「ジブリ作品の影響を受けている作品である」と言っています。
(参考:あにこれ「新海誠インタビュー」

黄泉の国に行き、亡き妻と再会を目指すストーリー。
古事記のイザナギイザナミ伝説をモチーフにしています。

星を追う子ども
(C)2011『星を追う子ども』製作委員会

新海アニメの主人公たちは、初恋に別れを告げることができず、成就するか立ち尽くすしかありませんでした。
※『秒速5センチメートル』の作品までは

『星を追う子ども』の明日奈(あすな)は、はじめて初恋にさよならを言えた主人公です。

「”さよなら”を言うための旅。」というキャッチコピーは、初恋の巡礼の旅でもあります。

『星を追う子ども』のモデル(聖地)となった場所は、長野県長野市となっています。

『星を追う子ども』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

星を追う子ども
(C)2011『星を追う子ども』製作委員会

孤独な少女明日奈は、謎のモンスター・ケツァルトルから救ってくれた「少年シュン」に惹かれます。

シュンは姿を消し、シュンそっくりの弟シンと出会ったことから、地下世界アガルタへ迷い込む展開へ。

しかし、それはアガルタの存在を知る組織「アルカンジェリ」の一員であるモリサキの画策だった。

モリサキは亡き妻を蘇らせるために、アガルタへ潜入したのだった。

海底の奥深くにある生死の門には、亡者を復活させる力があると信じられていた。

モリサキと明日奈は生死の門までたどり着くが・・・

映画『言の葉の庭』の作品概要を解説

公開日2013年5月31日
上映時間46分
キャスト入野自由 花澤香菜 平野文
予告動画(YouTube)『言の葉の庭』予告編
公式サイト『言の葉の庭』公式
興行収入1億5000万円(推定)

2013年に公開された「言の葉の庭(ことのはのにわ)」。

実は劇場化される予定はありませんでした。
作品のできがあまりにも良かったので、最終的に劇場公開されることになったのです。

「天気の子の前身となる雨の日の出会い」
『天気の子』が公開されてから観ると、大人版天気の子?とも言える作品です。

言の葉の庭
(C) 新海監 / Comix Wave

都会のど真ん中。空模様と都会の風景の細やかな描写が、登場人物の繊細な心を反映させいます。

『言の葉の庭』のモデル(聖地)となった場所は、東京の「新宿御苑・千駄ヶ谷」など。
特に新宿御苑が中心となった物語。実際に訪れると映画の世界観が広がっています。

『言の葉の庭』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

言の葉の庭
(C) 新海監 / Comix Wave

靴職人を夢見る高校生のタカオは、朝から缶ビールを飲む女性と知り合います。
梅雨の間に親しくなり、タカオは女性のために靴を作ることに。

夏が過ぎて2学期がはじまった時、タカオは、女性が高校の教師ユキノだと知る。
ユキノは、上級生に悪い噂を流されて退職を余儀なくされていました。

タカオはユキノを退職に追いやった上級生を責めに行くが、逆に返り討ちにあってしまう。

実家に戻ると決めたユキノは、別れ際にタカオへの気持ちをぶつける。
ユキノは教師へ復職し、タカオは靴職人の夢に向かって進み始めます。

映画『君の名は。』の作品概要を解説

公開日2016年8月26日
上映時間1時間52分
キャスト神木隆之介 上白石萌音 長澤まさみ 市原悦子
予告動画(YouTube)『君の名は。』予告編
公式サイト『君の名は。』公式
興行収入250.3億円

2016年に公開された『君の名は。』
空前の大ヒットとなり、以下の賞を受賞しています。

『君の名は。』が受賞した賞

  • 日本レコード大賞 特別賞(2016)
  • 日本アカデミー賞 話題賞(2017)
  • 日本アカデミー賞 最優秀脚本賞(2017)
  • 日本アカデミー賞 最優秀音楽賞(2017)

「主人公が入れ替わる」というライトな展開ではあるものの、その世界観と音楽に引きつけられた方も多いのではないでしょうか。

新海映画を「まだ観たことない」という方は、本作からスタートするのがオススメです。

君の名は。
(C)2016『君の名は。』製作委員会

若者でも大人でも楽しめるライトなSF&ミステリーとなっています。

『君の名は。』のモデル(聖地)となった場所は「岐阜(飛騨)・東京・長野」など。
新海作品の中でも、特に聖地巡礼される方が多い映画です。

『君の名は。』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

君の名は。
(C)2016『君の名は。』製作委員会

主人公の「瀧」と「三葉」。
ある日、突然2人の魂が入れ替わっていることに気づきます。

瀧は東京。三葉は飛騨。離れた場所で、会ったこともない。
しかも、入れ替わった時の記憶は元に戻った時には消えている。

2人は入れ替わった時の記録をスマホに保存し、やりとりするようになった。

そんなやりとりが続く中、三葉からの連絡が途絶え、その入れ替わりが突然終わりを告げます。

そして、瀧は三葉を探しに行くことに。

映画『天気の子』の作品概要を解説

公開日2019年7月19日
上映時間113分
キャスト醍醐虎汰朗 森七菜 小栗旬 本田翼
予告動画(YouTube)『天気の子』予告編
公式サイト『天気の子』公式
興行収入140億円超え

2019年に公開された『天気の子』。
空前のヒット作となった『君の名は。』の次回作です。

2020年には、RADWIMPSと共に以下の賞を受賞しました。

『天気の子』が受賞した賞

  • 日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞(2020)
  • 日本アカデミー賞 最優秀音楽賞(2020年)

『君の名は。』で主人公の2人が会えたのは最後の最後。
『天気の子』では、主人公の2人が最初から出会い、一度別れるけど再会します。

ボーイミーツガールの作品では普通に行われていた形が、新海作品では『天気の子』でやっとスタートラインに立てた感じです。

映画の公開前後には、飲食店や企業商品とタイアップし、各企業とのコラボCMを放送しました。映画内では、看板やパッケージは実際と同じものが使われています。
(参考:新海誠監督のCM一覧

『天気の子』のモデル(聖地)となった場所は、東京の新宿・代々木・池袋など。物語のポイントとなる場所では、「高円寺・気象神社」「銀座・朝日稲荷神社」がロケ地となっています。

本作でも聖地巡礼される方が多いです。

『天気の子』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

(C)2019『天気の子』製作委員会

伊豆七島から東京へ家出してきた高校生の帆高(ほだか)。
フェリーで知り合った圭介の元で、ライターとして働き始めます。

東京の生活中、ある事件をきっかけに「陽菜(ひな)」という少女と出会います。

陽菜は天に祈ると、局地的に晴れ間を呼ぶことができる能力を持っていました。

彼女がいるといつも晴れ空になるため、2人は晴れ女ビジネスを立ち上げることに。
そのビジネスが、たちまち人気サービスとなり、2人の仲も次第に深まっていきます。

しかし、陽菜が天気を晴れにすると、その代償として身体が透明化していたことに気づきます。

そして、陽菜がだんだんと消えていき、悲しい運命が待ち受けていることに。

【新海誠作品】短編アニメ映画一覧

ここからは、新海監督の短編アニメ映画を紹介していきます。

新海監督の世界観には、観る人によってさまざな捉え方があり、短編アニメ映画でも同じことが言えます。

モノクロアニメな映像。
会社勤めをしながら制作した映像。

その映像たちは、その時代に作った新海ワールドとも言える作品です。

古い作品では作業環境も現代とも違うため、新海監督は以下のように話しています。

「当時はタブレットもなく、みかん箱の下にスタンドをいれ、ルーズリーフでイラストを描いていた。」
「カットによってはルーズリーフの横線が出ています。当時から制作時間の確保が最も大きな問題でしたので、いかに動かさずにすむかを常に意識していました。」
(参考:Other voices -遠い声-より)
※公式サイト(以下URL)からの引用ですが、すでに閲覧できません
http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/world/index.html

このような時代背景から生まれた作品ですが、構成力の高さを感じさせてくれる「短編アニメ映画」です。

その完成度の高さを是非ご覧ください。

『遠い世界 OTHER WORLDS』の作品概要を解説

公開日1997年
上映時間1分28秒
予告動画(YouTube)「遠い世界」

新海誠監督が2週間で仕上げた「遠い世界」

1997年に制作し、新海監督の原点となった処女作でもあります。

今までの鮮やかな作画とは違った白黒だけの世界。
エリック・サティ作曲の「ジムノペディ」に乗せた、1分半ほどの短編アニメーションです。

従来の新海監督にはない、荒削りな作画が散りばめられています。
たった2週間で制作したと考えると、むしろ凄みを感じました。

それでも端々には繊細なカットが入り、電車の風景は『秒速5センチメートル』を彷彿とさせ、新海監督らしさも窺えます。

『遠い世界 OTHER WORLDS』の簡単なあらすじ

遠い世界 OTHER WORLDS
(C) 新海誠

「そら とびたい?」という言葉で映像が始まりです。

世界に馴染めない女性は、連れの男性が本当の半分を見つけるまで、綺麗な世界を受け入れられないといいます。

この頃から、「綺麗な風景」と「現実の厳しさ」を描く“新海監督のスタイル”が確立しているのを感じます。

「模型ヒコーキ」や「アパート」の懐かしさ。

「扇風機ごしのふたり」や「遠ざかる電車のあかり」という心理描写は、現在の作品にもつながっている描き方ではないでしょうか。

『彼女と彼女の猫』の作品概要を解説

公開日1999年
上映時間5分
キャスト篠原美香 新海誠
予告動画(YouTube)『彼女と彼女の猫』PV
公式サイト『彼女と彼女の猫』公式

飼い主との一生を、猫の視点で描いた作品『彼女と彼女の猫』

本作は、新海監督が勤めていた時期に作った自主制作アニメーション作品です。
※ゲーム会社の日本ファルコム(1999年在籍時)

主役となる黒猫のチョビの声は、新海監督自ら担当しています。
深みのある優しい声には、違和感がまったくありません。

「猫がどんな思いで飼い主と向かい合っているのか」、猫と生活する人には考えさせられる作品です。

「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」
(C) 新海誠

また、本作はテレビアニメーションとして、坂本一也監督がリメイクしています。
(参考動画:彼女と彼女の猫 -Everything Flows- PV

『彼女と彼女の猫』の簡単なあらすじ

彼女と彼女の猫
(C) 新海誠
黒猫のチョビと同居する飼い主。
この生活を黒猫のチョビ目線で語り、物語は進んでいきます。

部屋をシェアする彼女の友人が出ていき、一人暮らしとなった彼女は就職を控えていました。

就職先が決まらないでいる飼い主。
不安に駆られながら、不完全で少し残酷な外の世界を好きになろうとしています。

そんな彼女の姿がチョビは好きです。
チョビと彼女の生活は過去に遡り、チョビと彼女の出会いから回想されます。

小学校を転校したばかりの彼女。
その心の隙間に、チョビは気づいていました。

チョビは「彼女の考えている事はよくわかる」と何度も思います。
家猫のチョビは、彼女の事ばかりを考えていました。

しかし、猫の時間と人間の時間は違います。
だからこそ、彼女と過ごせる時間を、老衰していくチョビは大事にしていました。

本作の見どころは冒頭の場面。

チョビは知らない草原で彼女を探していました。
彼女がチョビを探しているのもチョビにはわかります。

目の前には鉄の扉が開かれ、その先の彼女の匂いをチョビは辿っていくのです。

その先は、後の展開と関わってくる大切な場面になります。

映画『笑顔』の作品概要を解説

公開日2003年4月
うた岩崎宏美
放送期間(YouTube)2003年4月~5月末
公式サイト『笑顔』公式

2003年、『笑顔』という曲のアニメーションを新海監督が手掛けています。
こちらは、NHK番組「みんなのうた」で放送されたものです。

回し車の上で、壮大な想像をするハムスターを描いている本作。

曲には、目が不自由な永田雅紹という音楽家のメッセージが込められ、映像ではハムスターと女性が登場しました。

なぜアニメのモチーフにハムスターを登場させたのかと言えば、新海監督の友人のとある言葉が元になっています。

「ハムスターは回し車を走るたびに、今日はどこまで来たのだろうと思いを馳せる。」

これはあくまでも人間の想像です。
ただ、ハムスターを飼育していた新海監督は、その言葉を切実に受け止め、着想を得るに至りました。

ハムスターは視力が悪く、状況の確認を聴力と嗅覚に頼る動物です。

そう思うと、曲の製作者は視力にハンディキャップがある方なので、歌詞のイメージと合っていたのではないでしょうか。

『笑顔』の簡単なあらすじ

笑顔
(C) 新海誠

アニメは草原や砂漠をハムスターが走るシーンから始まります。
かと思えば、回し車の上にいるだけで、それを女性が見つめていたり。

狭い飼育ケースの中で、壮大な景色を思い浮かべているのかもしれない・・・そんなふうに思わされました。

女性は、ハムスターへ嬉しそうに語りかけたりもしますが、どこか寂しそうです。

『笑顔』を見ていると、女性は学生時代からハムスターを飼育しているのがわかります。
しかし、ハムスターの寿命は2~3年ほどです。

社会人になった女性が飼っているのは、2代目以降と思われます。
それでも最後には前向きに歩んでいました。

ペットの喪失というのは筆者も経験しています。
それはとても辛いものです。

ハムスターの飼育経験がある新海監督から、動物を大切に思う気持ちが伝わってきます。

映画『猫の集会』の作品概要を解説

公開日2007年
上映時間1分
キャスト寺崎裕香 中川玲 前田剛 尾小平志津香
動画(YouTube)『猫の集会』動画
公式サイト『猫の集会』公式

『猫の集会』は、NHKテレビ番組(アニ*クリ15)で放送されたアニメーション。

2007年に放送されましたが、わずか1分という短編アニメーションです。

新海監督の作品では「猫」の登場が多いため、ファンの間では「新海監督は猫好き!?」ともっぱらの噂。

作品に出てくる猫のデザインも可愛いため、観ていて癒やされることが多いです。
猫好きな方には、ぜひ観ていただきたい作品でもあります。

『猫の集会』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

猫の集会
(C) 新海誠

気まぐれな猫がコミカルで愛くるしい『猫の集会』

チョビというトラ猫は、家族に何度も尻尾を踏まれ、恨みを蓄積しています。

その夜、飼い主への怒りで集まった猫たちが集合。
「巨大な一匹の猫モンスターとなって街を襲いました。」
そんな計画を予定します。

しかし、そんな思いは長く続かず、ご飯が貰えるとわかるとチョビは大喜びで忘れてしまいます。

そして翌日も同じ事が繰り返される。そんなコミカルな内容です。
猫の気まぐれさが愛くるしいです。

チョビという名前は、『彼女と彼女の猫』にも出ています。

驚くのはまだ早く、映画の『秒速5センチメートル』『雲のむこう、約束の場所』にもチョビという名の猫がいました。

新海監督は、チョビという名前に思い入れがあるのかもしれません。

映画『だれかのまなざし』の作品概要を解説

公開日2013年5月31日
キャスト平野文 花村怜美 小川真司
予告動画(YouTube)『だれかのまなざし』MV
公式サイト『だれかのまなざし』公式

『だれかのまなざし』は、2013年に映画『言の葉の庭』と同時上映された短編アニメ。

「未来」「家族の絆」をテーマに、父と自立していく娘の生活を飼い猫のミーさんがナレーションをしています。

離れていく娘の成長を見守る父の寂しさ。
それが『だれかのまなざし』という作品なのかもしれません。

世界観は、現実的なようで宙に画面が浮かび上がるなど、所々に近未来を思わせる技術がありました。

『だれかのまなざし』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

だれかのまなざし
(C) 新海誠

成長していく娘は父を軽蔑するようになり、家庭から遠ざかっていきました。

それも成長として見守るしかない父の立場。
寂しさが、ひしひしと感じられます。

母親の仕事が忙しく、父と娘の二人だけで過ごす事が多くなります。
寂しそうな娘のために連れてきたのが、子猫のミーさんです。

家を離れて一人暮らしをはじめた娘。
家に残った父。
それぞれが社会での「辛い思い」を表には出しません。

ある日、ミーさんをきっかけに父と娘が再会します。
父の娘への思い。娘の父への思い。
お互いの思いがミーさんによって明かされていきました。

「長編アニメ・短編作品」それぞれから見る新海誠作品

新海誠
(C) 映画.com

ここまで紹介してきた短編作品からは、新海監督のアニメ制作の歴史を垣間見れます。

作品の殆どには少女とペアになる形で猫が登場し、別れへと物語が展開されました。

その繊細な情緒を引き立てるように、「桜・踏切・空」のような誰もが見慣れた景色を美しく描き、懐かしさを刺激されていきます。

昔を思い出しては、どこかに逃げ出したいとすら考えさせられます。
しかし新海監督の作品は、決して甘やかしたりはせず、人生の残酷さも表現します。

一方で、『猫の集会』という短い喜劇からは、新海監督の意外な一面を垣間見ることも。

新海監督の作品は、悩める人に見て欲しいシリアスな内容を扱う中で、遊び心のある新しい可能性が感じられます。