新しい働き方として注目されている「リモートワーク(在宅勤務)」。
編集部
- 転職エージェント(リクルートやDoda)の方に聞いたところ、「在宅勤務を取り入れていく企業は、今後も増えてくるのではないでしょうか」という見解でした。
「意外とできる」「生産性に影響がない」と感じる企業も多いようです。
そこで今回は、リモートワーク(在宅勤務)のメリット・デメリットについて紹介していきます。
リモートワーク(在宅勤務)で感じたメリット
在宅勤務になって8年。この期間で感じたメリットは「通勤時間ゼロ」「ムダな会議からの開放」「仕事に集中できる」という点です。




SNSでも「ストレスが減った」と感じている方は多く、以下(4つ)の意見が多かったです。
- 通勤・帰宅がなくなりストレス軽減
- 好きな時間・好きな場所で働ける
- 育児・介護などの制約があっても働きやすい
- 服装を気にせず働ける
こういった意見について、それぞれ紹介していきます。
1.通勤・帰宅がなくなりストレス軽減
「毎朝こみ合った車内で、揉みくちゃにされながら出社」
「通勤ラッシュで疲弊し、肉体的・精神的に疲れた状態で仕事」
リモートワークの導入により、こういったストレスから開放されている方が多くいました。
会社員の方が、通勤時間にどれだけの時間を使っているのか?
NHK放送文化研究所のデータを参考に、計算してみました。
(参考:2015年国民生活時間調査報告書)
「2015年国民生活時間調査報告書」によると、平均往復時間(東京)は1時間42分となっています。
1ヶ月の出勤日を20日とした場合、34時間を通勤に使っている計算ですね。通勤によるストレスが軽減され、「34時間分」を有効に使えるのは、大きなメリットです。
2.好きな時間・好きな場所で仕事
こんにちは☀
リモートワーク中なので、たまにはカフェで仕事👩💻
(もちろんマスク着用、三密を避けてます)
午後も頑張りましょう♡#オスロコーヒー #コーヒー #リモートワーク #三密を避ける #カフェ #東京散歩#cafe #oslocoffee
#remotework pic.twitter.com/XxCfzO4ElM— あんみつ (@anmitsuuu0708) May 19, 2020
環境を変えて仕事するのも、リモートワークの醍醐味。
「カフェ」「図書館」「コワーキングスペース」で、快適に仕事をしている方が多くいました。
(私もたまにやっていて、意外と集中できます)
3.育児・介護という制約があっても働きやすい
育児や介護でフルタイムの勤務が難しい方にとって、リモートワークは非常に大きなアドバンテージです。
共働き世帯が増え、近年の待機児童問題も悩みの種ではないでしょうか。
東京都の待機児童数は平成31年4月1日時点で3,690人。
年々減ってきてはいますが、まだまだ多くの待機児童がいるという現状です。
(参考:都内保育サービスの状況)
高齢化社会が進む日本では、介護問題も深刻な課題となっています。
仕事を続けたくても辞めざるを得ない人にとって、リモートワークは願ったり叶ったりの制度。企業を辞めることなく、安心して「両立」できます。
ただし「0歳を抱えながらの仕事は難しい」という意見もあり、ここは課題の一つです。
4.服装・お化粧を気にせず働ける
本日も自宅でリモートワーク。
化粧もしない
おしゃれ着も着ない
ゆるゆるな変化のない風景に飽きて試しに指輪つけて仕事してみたら
いつもと同じ風景なのに
キラキラ感が増して、幸福度爆あがり。アクセサリーの力ってすごい🥺💕 pic.twitter.com/jGjsziceGm
— のの@スポーツグラフィックレコーダー🙌4時起き女子 (@nono_spgr) April 7, 2020
出勤の必要がないため、「服装・化粧」を気にしないで働く方が続出!
人と会わないとそうなりますよね。
ただ、その影響で「化粧品類」の売上に影響が出ています。
新型コロナウイルスの感染拡大で、化粧品の消費模様が変わりつつある。ファンデーションや口紅などのメークアップ用品の売れ行きが振るわないのだ。「外出しないためメークをしなくていい」という心理が働いているようだ。
出典:日経ビジネス
在宅勤務が増えると化粧する機会も減るため、今後の売れ行きにも影響しそうですね。
在宅勤務で生産性を上げるために

リモートワークの仕事では、基本的に自分で業務をコントロールすることになりますよね。そんな中、仕事がはかどらないこともあると思います。
そんなときにこれがおすすめ!
- 散歩をする(スローランニング)
- 昼寝をする(30分以内)
- シャワーを浴びる(血行促進)
- コーヒーやお茶を飲む(気分転換)
これで仕事に集中できることが多いです。
パフォーマンスを最大限引き出すためにも、さまざまな方法を試してみてください。
リモートワークのデメリット
- お金がかかる
- 仕事を終わらせるタイミングが難しい
- 孤独(同僚が近くにいない)
リモートワークにデメリットを感じている方も多いので、SNSで多かった意見を3つ紹介していきます。
1.お金がかかる
自宅仕事では、通信費や電気代といった経費が必要です。普段は会社で仕事していた時間を自宅で過ごすため、光熱費などが高くなります。
さらに夏や冬のシーズンは冷暖房を使用するので、通常料金の1.5~2倍になることも珍しくありません。
カフェやコワーキングスペースで仕事する場合も、飲食代や利用料が必要ですよね。都内のコワーキングスペースを1日利用すると、数千円かかる場所もあります。
しかし、「福利厚生」で一部料金を負担してくれる企業も出てきています。
「リモートワーク」という働き方が増えてくれば、そういった形が当たり前になってくるかもしれません。
2.オンオフの切り替えが難しい
リモートワーク最大の問題点は、仕事が終わらない事だな…。起きてから寝るまで仕事してるぞ。
— 熊谷正寿【GMO】 (@m_kumagai) April 22, 2020
GMOの熊谷社長もおっしゃるように、一般社員の方からも「仕事を終わらせるタイミングが難しい」という声が聞こえてきます。
会社で仕事をしているときは「定時」という概念があります。
しかし在宅勤務では、「定時」の概念が曖昧になってしまいがち。
この問題を解決するためには、「時間で区切る」「切りのいいところで区切る(やりすぎない)」の2つが有効です。
やろうと思えばいくらでもできてしまうので、「区切る」ことを試してみてください。
いつまでも仕事をしてしまうという方には、ぜひオススメしたい方法です。
3.孤独(同僚が近くにいない)
リモートワークでは、「人と会話をする機会」が極端に減るため、孤独を感じやすくなりますよね。(とくに一人暮らしをしている方が多い傾向です)
この対策として、企業側はオンラインで会話する機会を「あえて増やしている」とのこと。そのときに利用しているのは、以下のようなツールです。
ツール例
- Slack(チャットツール)
- Chatwork(チャットツール)
- Zoom(Web会議ツール)
- Skype(Web会議ツール)
Slack
Slackはアメリカの企業がリリースしたチャットツール。
情報が整理されて表示(スレッド表示)されるので、はじめて利用する場合でもわかりやすのが特徴です。
無料なので多くの人が利用しています。
(公式サイト:Slack)
Chatwork
Chatworkは日本企業がリリースしたチャットツール。こちらも無料利用できます。特徴は「タスク管理」ができるところです。
リモートワークにはピッタリの機能と言えるでしょう。
(公式サイト:Chatwork)
Zoom
Zoomはアメリカ企業がリリースした、オンライン会議ができるツール(無料で利用可能)です。
あらゆるOSに対応しているため、導入している企業が多いように感じます。オンラインの面談や打ち合わせで、Zoomを指定してくる企業は多いです。
(公式サイト:Zoom)
Skype
Skypeはマイクロソフト社のオンライン会議ができるツール。こちらも無料で利用可能です。
ビデオ通話はもちろん、固定電話にもかけられることが特徴。昔からあるツールですが、最近では競合も増えたことがあり、利用者が減っているイメージです。
(公式サイト:Skype)
企業側におけるリモートワークのメリット
ではリモートワークを導入するにあたり、企業側のメリットはどうでしょうか。
- コスト削減
- 優秀な人材を確保できる
- 離職防止になる
- 非常時でも仕事への影響は最小限
こちらも順番に解説していきます。
1.コスト削減
企業がリモートワークを導入することで、以下のようなコストが削減できます。
- 従業員の交通費
- 会社で利用する備品代
- 会社の光熱費
- オフィスの家賃
- その他の経費
これだけのコストが削減できるとなれば、企業にも大きなメリットとなります。
とくにオフィスの賃料は、議題にあがることが多いそうです。
「本当に必要なのか?」
私が知っているだけでも、3人の方(企業・人事)からそんなことを聞いています。
2.優秀な人材を確保できる
「通勤できる範囲内」にしか応募できなかった人たちが、在宅勤務OKということで応募する可能性が十分にあります。
全国・海外から優秀な人材を確保しやすくなるのは、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
3.離職防止になる
「会社で仕事をする」概念がなくなり、社員の生活を最大限尊重できるようになります。
たとえば「育児や介護で離職しなくてならない従業員」「介護で地元に戻らなければならない従業員」です。「生活」と「仕事」をうまく両立できれば、退職する必要がなくなります。
私も両親の介護をしていたので、会社員のときに「在宅勤務制度」があれば利用したかったです。
4.非常時でも仕事への影響を最小限にできる
「自然災害(台風・大雪・地震など)」
「病気(風邪・インフルエンザなど)」
リモートワークなら、こういった非常時でも影響を最小限にできます。
近年では、とくに気候変動(台風や大雪)が激しいです。交通機関に影響が出やすい現代において、リモートワークは理にかなっていると言えます。
企業側におけるリモートワークのデメリット
- 直接のコミュニケーションが減少
- セキュリティ問題
ここからは企業側のデメリットに触れていきます。
1.直接のコミュニケーションが減少する
従業員が会社に出社してこないため、当然コミュニケーションが減少します。
「仕事のトラブル」「問題点の解決」など、今まで対面でしてきたことができなくなるのは、デメリットに感じるかもしれません。
リモートワーク拡大の流れはほぼ間違いないので、20代若手サラリーマンは危機感高めましょう。社内ハイスキル人材との時間を大事にして、技術を早いとこ盗みきる。自宅やカフェにこもられてしまうと質問しづらくなり、盗みづらくなります。リモート解禁で万歳してる場合ではないかもしれません。
— 世一英仁💻キュービックCEO/Founder (@41hide) June 13, 2020
このように、社員のスキル向上における問題点も出てきます。
本来は先輩社員が近くにいたので、盗めた技術を奪いにくくなる可能性があります。ここは今後の課題かもしれません。
2.セキュリティの問題
リモートワークをはじめるにあたり、「重要な情報」に社外からアクセスできる点が問題となります。
公共の場所や飲食店にあるフリーWi-Fiでは、セキュリティ面で心配になりますよね。社内のシステム担当者を中心に、会社のルールを整備していく必要があります。
新しい働き方“リモートワーク”
「リモートワーク・テレワーク・在宅勤務・在宅ワーカー」
「家で仕事をする働き方」は、これからも増えていくことが予想されます。
それに合わせて、「意識的なコミュニケーション」「セキュリティレベルの向上」「情報漏洩防止」など、さまざまな「問題点・課題点」が浮き彫りになっていきます。
デメリットは多いようにも感じますが、そこには必ず「技術革新」も付いてくるので、「問題点・課題点」を乗り越えたとき、新しいスタイルを確立していけるのではないでしょうか。