システムエンジニアになるには?未経験から目指す方法

システムエンジニアになる方法

IT業界未経験でも「システムエンジニアに転職したい!」
そう考えている方もいるのでは?

しかし、一歩を踏み出せないまま時間だけが過ぎていないでしょうか。システムエンジニアは「プログラミング言語」「システムの知識」などに詳しく、膨大な専門的知識を持っていると考えられがちです。

そんなこともあり、未経験からシステムエンジニアへの転職は難しいと考える方もいます。たしかに専門知識は必要ですが、他にも重視される必要なスキルがあり、実は転職している人も数多くいるのです。

ではどうすればいいのか?今回は、IT業界未経験の方がシステムエンジニアを目指す方法について紹介します。

目次

未経験からシステムエンジニアを目指す方法

未経験からシステムエンジニアを目指したいと思ったとき、最初に「ムリかも」と感じてしまうのが「スキルや資格」ではないでしょうか。

たしかにシステムエンジニアという仕事は、多くのスキルや資格が必要になる場面もあります。
しかし、未経験から転職を目指すなら多くのスキルや資格を持っていなくても問題ありません。

次に紹介するスキルや資格獲得を目指すことで、あなたの新しい人生に一歩進むことができるのです。システムエンジニアを目指すとき、「最低限覚えておきたいスキル」「後々まで役立つスキル」があるので、それぞれ詳しく見ていきます。

自分で検索するスキル

職場では新しいことや知らないことが多発します。先輩たちが常に手取り足取り教えてくれるのならよいですが、先輩たちも大変忙しくしています。

そのため、わからないことは「自分で検索して調べる」というスキルが必要になります。

検索スキルについて

IT業界(Web業界)で働く場合、常に新しい技術・情報が出てくるので、「自分で調べる」ことは、中堅~ベテランとなっても必要なことです。

プログラミングスキル

プログラム言語は多数あります。Java・C・C#・Ruby・PHP・Python・Go・Scala・ASP.net・Swiftなどなど。あなたも名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。

IT業界未経験の方であれば、どれか一つの言語を選び、初心者レベルまでのスキルは身につけておきましょう。

コミュニケーションスキル

IT業界未経験の方が勘違いしやすいスキルです。一日中パソコンの前で孤独に仕事するというイメージかもしれませんが、実際は違います。

システムエンジニアという仕事は、プログラミングやシステムを作りますが、プログラマーたちに指示を出したり、プロジェクトマネージャーたちとやりとりしなくてはいけません。

「取引先・他部署・顧客」との調整も多く、仕事相手はコンピュータだけではなく人間を相手に仕事をするでもあります。コミュニケーションが円滑にできないと話の的がズレたまま仕事を進めることになり、いつまでも終わりのないプロジェクトになってしまいます。

また、システムエンジニアは存在しないものを一から作り上げなければなりません。その際、「こういう要件を満たすこういう設計のシステムである」ということをドキュメント化するコミュニケーション能力も求められます。

他にも以下のような業務もあるので、高いコミュニケーション能力は必須となるでしょう。

想定される場面
  • システムに関して素人である顧客への詳しい説明
  • チーム内の作業を分担
  • 作業進捗の相互確認

マネジメントスキル

コミュニケーションスキルでお伝えしたように、システムエンジニアは人との仕事です。指示を出す立場になることもありますし、プログラマー達のスケジュールを管理することもあります。

こういった業務を行うためには、プログラミング技術とは関係のないマネジメントスキルが必要なのです。チームメンバーの得意不得意を見抜き、適材適所のタスクを割り振ることが重要となります。

論理的思考能力

システムエンジニアの仕事で必要とされるのが、論理的思考能力です。システムエンジニアの仕事は、大まかに言うとITシステムの「開発・運用」をすることですが、そのためにはアルゴリズムや仕組みを一から作り上げなければなりません。

例えば、システムエンジニアは顧客からの要望を要件としてまとめ、設計書を作ります。このとき、顧客から要望された入力データと出力データを処理するためには「こういう設計が必要である」「要望を満たすための設計はこうである」ということを一から考えなければなりません。

このように、システムを作り出すためには「AだからBである」という思考を積み重ねて作り上げる必要があります。不確実な推測は排除し、論理として積み上げていくことがシステムエンジニアの仕事です。

システムエンジニアは、常にシステムに対して論理的な考え方をする仕事です。曖昧性を見抜き、どうすれば曖昧さをゼロに近づけられるのか。

そして、ゼロに近づけるために起こりえる問題点や現場での改善点をあぶり出すことが必要になります。「だいたい出来そう」ではなく「AだからB」という回答が求められます。

顧客視点

作っているシステムは誰が使うものなのか?ついつい忘れてしまいがちです。だからこそ顧客視点を持っていれば、おかしな方向へ進んだチームを元に戻すことができます。

また、システムエンジニアは顧客への説明を要求されることがあります。こういったシーンでは、専門用語を顧客がわかるように言い換えたり、顧客の身近なコト・モノに例えて伝えるスキルも必要です。

IT系の知識

システムエンジニアとして最も必要とされるのが、やはりIT系の知識です。

具体的にIT系の知識とは?
必要となる知識の種類は膨大になるので、これさえ覚えておけばOKというものはありません。プログラミング言語が何か?OSは何なのか?スマホアプリなのか?汎用サーバー上のシステムなのか?扱うシステムによって変わってきます。

あなたがどのような種類の仕事をしたいのか。どのようなシステムを扱う仕事がいいのか。適したシステムの知識を選び、習得することが重要です。

システムエンジニアにオススメの資格

転職活動の際、採用担当者に喜ばれる資格を紹介します。資格とは「あなたの今のレベル」を一言で伝えられる便利なものです。基礎的な資格くらいは取得しておくと面接のとき楽になります。

基本情報技術者試験

システムエンジニアになるなら誰もが最初に挑戦すると言われている基本情報技術者試験。年に2回試験が行われ、IT人材の基礎知識や技術を持っている証になります。

「アルゴリズム」「簡単なプログラミングの基礎」「セキュリティ」に関する知識など、ITシステムに関する知識を一通り学ぶことができます。

IT系の知識を知らない人にとっては非常に難解に見えるかもしれませんが、これからIT業界で働くなら必要な知識ばかりです。

基礎的な知識が問われるものなので、この資格があるからと言って転職が有利になるということはありませんが、ITシステムについて知らない人がIT系の知識を体系立てて学ぶ手始めとして「オススメできる資格」です。

仮にこの資格を持たずに転職しても、就職先で「1年以内に取得してください」と命じられるでしょう。ということなので、今頑張る方がお得です。基本情報技術者試験に合格したら、次のレベルの応用情報技術者試験に挑戦するのもよいでしょう。

ITパスポート

初心者向けの登竜門的な資格です。基本情報技術者試験よりも敷居が低いので、短期間の学習で合格することも可能です。

また、ITパスポートの試験は毎月あるので、チャレンジしやすいという側面もあります。参考書も様々な出版社から出ていますので、IT業界に必要な技術や知識を知るキッカケとしても活用できます。

データベース系の資格

現在のIT業界の仕事には、データベースという大量の情報を記録し、いつでも簡単に素早く取り出せるアプリケーションを使うことがあります。

他の転職者よりも一歩先を行きたいのなら、データベースに関係する資格をとってみてはいかがでしょうか。

大手データベースであれば、オラクル社が発行している「オラクルマスター」という資格があります。オラクルマスターには初心者向けの「ブロンズ」という資格があるので、まずはここを目指してみてください。

テクニカル系の資格

技術者の資格はエキスパート化しています。そのため、先ほどの「データベース・通信技術を扱うネットワーク・情報漏洩に対応するセキュリティー」など、テクニカル系の資格が存在します。

前職が電気技術系の方ならネットワークやセキュリティー関係は入りやすい分野かもしれません。エクセルを使って業務をされていた方なら、データベース関係は始めやすい分野でしょう。

テクニカル系の資格を選ぶときには、「自分に向いているモノ」「前職の知識を活かしやすいモノ」をオススメします。

情報処理安全確保支援士

まだまだ新しい資格です。サイバー攻撃などを防ぐセキュリティ対策の能力を示す資格となり、今後は注目される確率が高い資格です。2年先、3年先に転職を考えているなら今から準備しておくことをオススメします。

ベンダー資格

ベンダー資格とは、特定の企業が自社の製品に関する知識や技術を認定するための資格です。「Oracle認定Javaプログラマ」「ORACLE MASTER」「MCP」などがあります。

システムの運用や環境構築など、サーバー機器やネットワーク機器に直接触れる仕事をする場合は取得しておきたい資格です。

ハードに依存する部分を開発する場合、ハードに関する知識を知っておきたいところです。もちろん仕事に必要だと判断した場合に取得することが重要です。

特定の技術を認定する資格

プログラミング言語やサーバーに関する知識や技術が問われる試験で「LPIC(Linux技術者認定試験)」「ITIL認定試験」などがあります。

最近ではスマホアプリの開発ができる技術者が求められており、Android技術者認定試験が人気です。ただし、これらの資格試験は非常に数多く存在するため、本当に自分に必要な知識に注力することが重要です。

システムエンジニアに「向いている人」「向いてない人」の違い

どのような仕事も同じだと思いますが、「向いている人」「向いてない人」がいます。特にシステムエンジニアは、向き不向きが顕著に出る仕事だと言えます。

システムエンジニアに向いている人

コツコツできる人

システムエンジニアは、一日中パソコンに向かって作業をすることがある仕事です。同じ動作を何度も繰り返し、おかしな動きのパターンを調べるということもあります。エクセルを使ってスケジュールの管理を地味に行うこともあります。

コミュニケーションがとれる人

人と人を繋げる仕事です。極端な場合、プログラマーはコミュニケーションが下手でも仕事が出来ますが、システムエンジニアは違います。あなたがシステムエンジニアになったとき、コミュニケーション能力がないプログラマーとやりとりする可能性もあるのです。相手の「意見を引き出す」「話を聞く」能力が必要となります。

新しい技術を試したい人

日進月歩で変化するのがIT業界です。上司に「やってみろ」と言われてから新しい技術に興味を持つようでは、スピードについていけません。自分から新しい技術を調べ使ってみることで、次のプロジェクトに活かすことができるのです。

システムエンジニアに向いていない人

毎日同じ作業が大好き人

システムエンジニアの仕事は、毎日同じではありません。状況は常に変化しています。それもかなりのスピードで変化するので、明日も明後日も同じ作業を好む人には向きません。

頭を使いたくない人

システムエンジニアは肉体労働的な部分もありますが、大半は頭の中で考えるのが仕事です。少し考えただけで「もういいや!」となる癖の方は向いていません。

「まあいいや」が好きな人

システムエンジニアには、論理的思考が必要です。ですから曖昧なままでは仕事ができません。「まあいいや」ではなく「どうすれば」が好きでないとツライ仕事になってしまいます。

未経験からシステムエンジニアになれる人となれない人の違い

この仕事をしていくためには、常に新しい知識を吸収していかなければなりません。IT業界は新しい技術がどんどん生まれるので、すでにエンジニアとして活躍している人でも勉強し続ける必要があります。

新しいもの好きで好奇心が旺盛な人は、どんどん新しい知識を吸収して活躍できますが、保守的でルールを守り続けるタイプの人には難しいかもしれません。

また、システムエンジニアは体力が必要な仕事です。「膨大な量のプログラミング」「設計書の作成」など、仕事量が多いです。納期も厳しく、システムダウンで緊急呼び出しも時にはあります。

こういった過酷な職場環境に耐えられる体力が必要ですし、定時で家に帰りたい人には向かない仕事と言ってもいいでしょう。

30代からでも大丈夫?システムエンジニアへの転職年齢

未経験からシステムエンジニアへの転職で気になるのが「年齢」。IT業界は進化や変化のスピードが早いため若手が有利です。

特に未経験となると20歳~29歳までが有利になることは確かです。これには次のような理由があります。

未経験からシステムエンジニアへの転職をした場合、転職先でいきなりシステムエンジニアを任されることはありません。もし未経験で任された場合は「ブラック」だと思ってよいでしょう。

通常はシステムに慣れるため、先輩達が作ったプログラムのテストからスタートすることが多いです。テストする期間が1年経過し、プログラムやシステムを理解できてくる頃にプログラマーとしての仕事がやってきます。

ここから2年から3年はシステムエンジニアの下でプログラミングを行い、システムエンジニアのサポートをしつつ仕事を覚えます。

入社後、早い人なら3年。一般的には5年くらいで設計を手伝うことが増え始め、システムエンジニアとして働くことになります。この流れを考えると30歳で転職した場合、システムエンジニアとして働くのは早くて35歳です。

会社側は35歳のエンジニアにもう少し上の仕事(顧客との交渉やマネジメントなど)を期待しています。このような理由があるため、システムエンジニアを目指すなら20代が有利なのです。

30代未経験者でもシステムエンジニアは可能

20代が有利なのは間違いありませんが、30代になってから未経験の転職で活躍している人も数多くいます。

その理由の一つに、システムエンジニアで仕事をしていくためには、コミュニケーション能力やマネジメント能力など、「他職種・他業種で培った能力を活かせる」ということがあります。

システムエンジニアは顧客や取引先、他部署やチームメンバーと調整しながら仕事を進めることが多く、コミュニケーション能力は必要不可欠です。

また、年齢が進むとチームリーダーや管理職になり、多くの部下をまとめてプロジェクト管理していかなければなりません。そのため、他の職種や業種で培ったこれらの能力で活躍することが可能です。

もちろん、IT系の知識や技術は必要になります。30代になってからIT系知識を勉強していくのは大変ですが、やる気と工夫さえあれば問題ありません。

結論

活かせる経験や能力を持ち、一からIT系について勉強できる人材なら未経験からシステムエンジニアとして活躍することが可能です。

携帯電話販売会社からシステムエンジニアに転職したケース

携帯電話販売会社の方が、未経験からシステムエンジニアに転職されたケースがあります。前職が時代の流れに敏感な仕事だったことが有利に働き、未経験からシステムエンジニアへの転職を成功されました。

転職後の1年目はテスト要員。2年目でプログラミング。5年目でシステムエンジニアのビギナーという流れを歩んでいます。異業種からの転職は可能ですが、前職との相性も重要です。

時代の流れに敏感ではないお仕事をされているなら、プライベートの時間で考え方や興味を持つ対象を変えておきましょう。変化を知る感覚は、システムエンジニアへの転職に必要です。

テストエンジニアからシステムエンジニアに転職したケース

専門性が高いシステムエンジニアの仕事ですが、職種によってはそれほど高度な知識や技術が求められないことがあります。

例えば、出来上がったシステムをテストするテストエンジニアは、システムの仕様やテスト環境のちょっとした変更さえできればやれることが多いです。

そのため、IT企業に転職したら最初はテストエンジニアを経験し、そこでシステムの仕様や基礎を学んでからシステム開発部門へ異動するというケースがあります。

スキルがそれほど求められない職種は、テストエンジニアの他に「運用エンジニア・オペレーター」などがあります。まずはそこから挑戦してみるのもよいでしょう。

ITスクールからシステムエンジニアに転職したケース

未経験からシステムエンジニアになる最も無駄のないルートに、転職サービス付きITスクールに入るという方法があります。

働きながらITスクールに通い、HTMLやJavaScriptの「スキル・知識」を学びます。ある程度のスキルや知識を習得したら転職サービスを利用して転職先の斡旋をしてもらい、IT企業に転職するという流れです。

スキル習得から転職までがセットになっているので、未経験者に非常に人気が高い方法です。

独学?スクール?で学ぶ?システムエンジニアに必要なスキル

システムエンジニアに必要なスキル

システムエンジニアに必要なITの知識を勉強する際、独学で勉強した方がよいのでしょうか?それとも、スクールに通った方がよいのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

独学で勉強するメリット・デメリット

独学で勉強する場合の大きなメリットは、コストパフォーマンスがよいということです。スクールに通うと何十万円単位で費用が掛かりますが、独学ならテキストやツール、資格試験の受験料さえあれば勉強ができます。

また、独学での勉強は通勤時間帯や空いた時間にできます。テキストやツールさえあればいくらでも勉強できるので、仕事を続けながら合間合間で勉強することも可能です。

一方で、「自分一人での勉強はやる気が出ない」「一人ではなかなか本質を理解できない」というデメリットもあります。

人に教えてもらわないと勉強できないというタイプの人には向かないでしょう。学習を習慣化することが得意な方は、独学でも問題ありません。

独学のメリット
  1. 学習費用が低い
  2. 好きな時間に学習できる
  3. 自分の学習方法が身につく
  4. 検索能力がアップする
  5. 自己解決能力が身につく
独学のデメリット
  1. 上手くいかないとき聞ける人がいない
  2. 出来ているのかどうかわからない
  3. 続けるための仕組みや意志が強くないと続かない
  4. 学習時間が自由なのでサボリがちになる
  5. 手をつけるところがわからなくて前に進めない

スクールで勉強するメリット・デメリット

ITやプログラミングスクールは、効率よく知識・技術を得られるというメリットがあります。知識が豊富で教えることが上手い講師に教えてもらえれば、早いタイミングで習得することもできるでしょう。

講師は専属の担当者になるスクールもあるので、相性が合えば良きメンターになることも。「実際に仕事をしている現場の話」「現場ならではの手法を知ることができる」と転職するのも怖くなくなるでしょう。

また、「就職・転職」サービス付きのスクールを選べば転職先までスムーズに決めることが可能です。

一方で、費用の高さが大きなデメリットです。数万円から数十万円の受講料がかかるため、スキルアップや転職に結びつかなければムダになります。

スクールで勉強するメリット
  1. 何から学べばよいかがわかる
  2. 専属の担当者がいると挫折しにくい
  3. 疑問点を聞けるので学習が進みやすい
  4. 検索方法を教えてもらえるとスキルが伸びる
  5. 現役講師なら現場で必要なことを知れる
  6. スクールによっては「就職・転職」支援がある
スクールで勉強するデメリット
  1. 費用が高い
  2. 学習スケジュールを急に変更できない
  3. 教室へ通うのが面倒になることがある

可能性は無限大!システムエンジニアの働き先

IT業界の人材は常に不足しています。そのため、未経験の方でもITに興味のある人は転職しやすい状況となっています。働き先は、首都圏や都市部が特に多いです。

一般的にはソフトウェア会社やシステム開発会社が多いのですが、最近では一般企業の情報管理部やITの学習企業も募集をしています。

システムエンジニアの就職先とは?

コンピュータが家庭に入り込み、手の平にはスマートフォンが乗っている。そんな状況ですから、ソフトウェアが必要ではない(IT技術が必要ではない)という会社は皆無です。

従来の就職先
  • ソフトウェア開発会社
  • システム開発会社
  • 大手メーカーの情報システム部

最近では、「物流業」「製造業」も自社システムを有効活用するためにITの人材を募集しています。その他、一般的には以下のような会社があります。

システム開発会社

システム開発会社には「大手企業・中小企業・ベンチャー企業」があり、企業規模によって仕事内容や待遇は大きく異なります。

大手企業は大型案件を受注し、主に要件定義や顧客対応などの上流工程を行います。製造工程やプログラミング工程などの下流工程は中小企業に委託することが多くなっています。

システムも「インフラシステム・ゲーム・アプリケーション」など、扱うシステムによって業務知識や専門知識 は大きく異なります。

未経験者がシステムエンジニアになるなら、ほとんど場合はシステム開発会社を転職先として選ぶことになるでしょう。

一般企業のIT系部署

一般企業にもシステムエンジニアの応募があります。社内システムの構築や運用管理などを行う社内SEは、ある程度の規模の企業ならどこにでも必要です。

しかし、一般企業の社内SE枠はあまり多くないため、未経験者が採用されることはまれです。

ITコンサルタント会社

IT系の技術を活かして他社のシステム開発やコンサルティングを行うのが、ITコンサルタント会社です。コンサルタントファームとも呼ばれます。

仕事内容は、システム開発会社と同じことが多いです。
ただし、かなり高度な専門知識を必要とされるため、未経験者がいきなり転職するのは難しいでしょう。

就職先に選びたい企業とそうでない企業

未経験者OKの企業も多くありますが、「待遇が非常に悪い」などのブラック企業も存在するので注意が必要です。未経験者OKでも研修制度が整っており、社員を育てる環境が整った企業をオススメします。

次のポイントを参考にして会社を選んでみてください。

強気の営業力があるか
営業力のない会社に入ると、まわりと同じように働いても給与が増えていきません。これは経営の視点で見るとわかります。「営業力が弱い=お金が会社へ入っていない」のですから、あなたの給与が増えることはありません。

キャリアに将来性があるのか
システムエンジニアを目指して入社し、3年 ⇒ 5年経ってもテストばかり。本来ならプログラマーやシステムエンジニアになっていてもおかしくない年数ですが、会社に「キャリアを伸ばす仕組みや気持ちがない」と便利に使われるだけとなってしまいます。

評価制度があるのか
大手企業には客観的な評価制度が存在します。しかし大手企業ではない会社には、「評価制度が存在しない」ところも多いものです。頑張れば頑張った分だけ収入が増えるのなら納得ですが、結果が反映されなければモチベーションも大きくダウンします。評価制度がどうなっているのか説明してもらうことが必要です。
編集長

私は正社員や業務委託で3社のベンチャー企業で働きましたが、3社とも評価制度が確立されていませんでした。入社前に必ず確認してください。

ベンチャー企業と大手企業それぞれのメリット・デメリット

同じ業界でもベンチャーと大手の企業では大きな違いがあります。特にベンチャーでは会社としての「体制・仕組み」ができていないところも多く、知らずに入社したら「何か違った・・・」と感じてしまうかもしれません。

そうならないためにも、それぞれのメリットとデメリットを知っておく必要があります。ベンチャー企業と大手企業はどちらのほうがいいのか?あなたに合った会社が選ぶためにも是非ご覧ください。

大手企業のメリット
  1. 会社としての安定性
  2. 仕事を効率的にこなせる
  3. 大規模案件に携われる可能性が高い
  4. キャリアアップしやすい
大手企業のデメリット
  1. 仕事が分業しているので全体像が見えにくい
  2. 仕事を作り出すことが難しい
  3. 危機管理能力が低下する
  4. 驚くような昇級は期待できない
  5. 自分の希望が通りにくい
ベンチャー企業のメリット
  1. 実力があれば昇級しやすい
  2. 仕事の全体像が見えるので能力がアップしやすい
  3. 仕事を作り出す楽しさが実感できる
  4. 希望の仕事を担当しやすい
  5. システム以外のこと(経営や会社運営など)を知ることもできる
ベンチャー企業のデメリット
  1. 会社の安定性がない
  2. 教育制度や福利厚生が整っていない可能性がある
  3. 忙しくなるとブラック化することもある
  4. 能力がアップしないと収入もダウンする(※実力次第)

それぞれメリットとデメリットがありますが、安定した収入を期待するならベンチャー以外を選ぶ方がストレスが低くなります。

反対に、「バリバリやりたい!」将来独立したい!」という方は、ベンチャーのほうが多くの経験を積むことができます。

システムエンジニアの仕事とスケジュール

システムエンジニアの仕事

システムエンジニアとは具体的にどのような仕事をしているのか。どんなスケジュールで1日を過ごしているのか。経験がないと見えてこないので、不安なところもあると思います。

ここでは、あるシステムエンジニアの仕事内容やスケジュールを紹介していきます。システムエンジニアの仕事は、大きく分けて2つです。

(1)開発の仕事

お客様の要件からシステムの設計をします。また、プログラマーへ指示を出すための設計書を作成します。場合によっては自らプログラミングを行うこともあります。
そして、最後はできあがったもののチェックを行います。

(2)マネジメントの仕事

プログラマーの進捗やスケジュールを管理します。システムエンジニアの中でもプロジェクトマネージャーに近いポジションになると、「プロジェクトの予算」「不足している人員の手配」を手伝うことがあります。

上流工程・下流工程による業務内容の違い

システムエンジニアの仕事は、上流工程・下流工程によって業務がまったく異なります。
例えば、上流工程を扱うシステムエンジニアなら主な仕事は以下のような業務です。

上流工程の仕事例
  • 顧客との調整
  • 要件定義書の作成
  • 設計書のレビュー
  • メンバー(下流工程)の管理

テストエンジニアなら「試験項目の抽出」「試験実施」、プログラマなら「プログラミング設計書の作成」「プログラミング」、サーバー管理者なら「環境変更・環境構築」メンテナンス」などを行います。

また、働き方は雇用形態によってもまったく異なります。正社員ならプロジェクトの立ち上げから完了、その後のプロジェクトの改善と次のプロジェクトの立ち上げという風に、仕事の全てに責任を負うことになります。

アルバイトや派遣社員といった非正規雇用社員の場合、割り当てられた仕事をこなすのみです。

システムエンジニアの1日の流れ

システムエンジニアの代表的な1日の流れを紹介します。プロジェクトの状況によって大きく変化するので、あくまでも流れを理解するためにご覧ください。

09:00現場に出社
09:30昨日の進捗と今日の作業連絡
10:00打ち合わせや設計、進捗整理
12:00昼食
13:00打ち合わせや今日の進捗具合の確認
14:00自身のタスクを行う(プログラミングなど)
17:00チームメンバーから進捗連絡を受ける
17:30上司に進捗状況を報告
18:00終わらなかった仕事をかたづける(残業)
19:00退社

プロジェクトの納期が迫ってくると、プログラムの不具合対応を行うことが増えてきます。
また、顧客から定時直前に「エラーが出て止まった」という電話が入り、急遽対応することも出てきます。

比較的余裕のある時期は上のようなスケジュールで進行できますが、トラブルや納期が迫ると残業が続くこともあります。

マルチタスクな仕事でもあるので、きっちりとスケジュールやタスク管理し、臨機応変に対応する必要があるでしょう。

システムエンジニアの「やりがい」や「大変なこと」

システムエンジニアは仕事量も多いため、チームメンバーと仕事を分担して効率よく片付けなければなりません。時に過酷な状況にもなりますが、「やりがい」や「達成感」を感じることができます。

(1)顧客から喜んでもらえる

トラブルが起こったとき。納期通りに納品し動いたとき。「よかった」「ありがとう」と言われることは大きなやりがいになります。

大きめのプロジェクトに関わるとわかりますが、納品したときには顧客の担当者たちと生き抜いた戦友のような関係になることもあります。他の仕事では味わうことのできない瞬間ではないでしょうか。

(2)手に職系になれる

システムエンジニアは手に職系の仕事です。自分のスキルを伸ばせば、比較的簡単に転職することも可能です。この感覚は、他の仕事ではなかなかありません。

(3)様々な業界を知ることができる

様々な業界と仕事ができるため大きなやりがいになります。一般的な仕事では、自分が勤めている会社の業界しか知ることがありません。

しかし、システムエンジニアは様々な顧客のシステム開発に携わるため、普段なら知らないような業界のことを知るチャンスがあります。

SEの仕事で大変なこと

「難しい問題が解決できない」
「残業続きで家に帰れない」

システムエンジニアにはこういったことがあり、過酷な職場環境に置かれることもよくあります。身体を壊してしまうこともあるので、健康管理には十分注意すべきです。

システムエンジニアを楽しく続けられる人

常にアンテナを張って新しい技術を「知りたい」という気持ちが強い人は、システムエンジニアを楽しく続けられるでしょう。根気のある人や几帳面な人。丁寧に作業をすることが好きな人も楽しめる仕事です。

そして、システムエンジニアを楽しく続けられる人になるには、健康な体をキープする管理能力も必要です。いくら知識や技術を磨いても、健康管理ができないと仕事を楽しむことはできません。

友人の何人かは、この仕事で身体を壊してしまいました。それくらいハードな仕事とも言えます。

システムエンジニアの暮らし方【勤務時間・休日・生活】

土日祝日はほとんどお休みです。休日を上手に使って普段のストレスをリリースすることが、システムエンジニアを長く楽しく続けるコツと言えます。

システムエンジニアの暮らし方を思い出すと、次のようなことをやっている人がいました。高収入なので好きなことをやっていた人が多かったです。

システムエンジニアの日常※例
  • とにかく家に帰ってゲーム
  • 休日はオートバイでツーリング
  • お子さんの野球チームの監督
  • 模型作り
  • 古い車のレストア
  • バンド活動
  • 釣り

繁忙期は忙しいことも

普段は休めることが多いシステムエンジニアですが、繁忙期はまったく休めず、残業続きになります。ただ、繁忙期を過ぎれば定時に帰ることができ、有給休暇を取りやすい職場が多そうです。

繁忙期の有給は難しいですが、プロジェクトが落ち着けば同僚と相談して長期休暇を取ることも可能です。ただ、労働時間や休日は企業によって大きく変わってきます。

会社によっては「一年中残業を強いられる」「休日も取れない」ブラック企業も存在します。人手不足が慢性化しているIT業界では珍しくありません。

「ブラック企業ではないか?」しっかりと確認しておくべきでしょう。企業の評判は以前と比べて口コミサイトやSNSで調べやすくなっています。

システムエンジニアの将来性

今後、システムエンジニアはどのような会社にも必要な仕事です。特にIoTが導入されるような会社であれば、社内にシステムエンジニアのスキルを持った社員がいないと適切に活用できなくなるでしょう。

ソフトウェア業界も常に人材不足です。システムエンジニアを目指して転職することは、あなたの人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。専門性の高い仕事ですが、「独学」「スクール」のどちらでも学習する方法がたくさんあります。

他の業種・職種で培ったコミュニケーション能力やマネジメント能力を活かすことも可能です。「未経験だから」「文系だから」とあきらめる前にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。