
ヒット作を続々と世に送り出していますが、映画だけではなく企業とのコラボCMも生み出しているんです。
このコラボCMはSNSでも話題になるほどのクオリティ!
「本編からCMに入ったことに気づかない方」
「最新作の宣伝と勘違いする方」
Twitterではそんな方が続出でした。
クロスロードという作品は
120秒という短い時間の中で受験生の合格までの物語を全く無駄なく描いているところと
その中でz会の宣伝を違和感なく入れているところが本当にすごいと思ってます。#君の名は— 明日葉(あしたば) (@ashitaba_shin) June 30, 2019
クロスロードって新海誠監督の
最新作でも作ってるのかと思わせ
ぶりが凄すぎて高揚した— すけちゃん🍂 (@skcn_vab_17) June 30, 2019
ここまで世間の注目を集めたCMとはどういったものなのか。
その真相を徹底的に追及し、声優やスタッフなどの詳細を紹介していきます。
新海誠監督×Z会のCM「クロスロード」とは?
新海誠監督とZ会のコラボレーションで難関大合格を目指す皆さんを応援します。“大きな目標に立ち向かうのは「ひとりじゃない!」”。新海誠監督とZ会が贈る、あなたへの応援ストーリーです。
出典:クロスロード公式
このCMは新海誠監督と通信講座Z会とのコラボ作品「クロスロード」。
大手教育企業の「Z会」が提供している通信講座のCMで、「君の名は。」と同じ新海監督が手掛けた作品です。
その内容は、受験勉強を通し、少年と少女の人生が交差する物語でした。
クロスロードのあらすじと内容
本作で描かれているのは大学受験に挑む少年と少女の日常。
お互いに顔も知らないはずの二人は、「遠くにあるはずのどこか」へ行くという共通の夢に向かって努力を続けます。
離島に住む少女は、遠く離れた東京の大学へ進学することを強く希望しており、塾がない島で通信講座を利用して受験勉強。
一方、東京に住む少年は高校生活とアルバイトの傍ら、同じく通信講座を利用して自宅学習で希望の大学を目指します。
異なる人生を歩み続けてきた二人でしたが、Z会の通信講座を通して知らぬ間に人生は交差していくのでした。
#クロスロード がトレンド入りとか胸熱(*≧∀≦*)
120秒に全てのドラマが詰まっている良作。
因みにカット999は東大赤門から出てくる二人。
新海誠展2014のポスターは街で出会う二人が描かれている。 pic.twitter.com/DMl0iDa7kk— 俺すと (@oresama_strike) June 30, 2019
CMでありながら、一つの映像作品としての側面も持ち合わせており、「クロスロード」というタイトルがついています。
新海監督にCM制作を依頼したZ会とは、一体どのような企業なのでしょうか?
日本の教育を支えて90年!Z会とはどんな会社?

Z会は1931年に「実力増進会」という名前で新宿にて創立。
それ以降、約90年間日本の教育に携わってきた教育のエキスパートです。
会員の方々から「Z会」の愛称で親しまれていたことから、2006年の社名変更により現在の会社名になりました。
サービス内容は、今回テーマとなっている通信講座をはじめ、対面式の学習塾や参考書の「制作・販売」も行っています。
対象年齢は、中高生はもちろんのこと幼児から社会人までと幅広く、学習科目も「受験対策・英会話・プログラミング・各種資格取得」など、あらゆるニーズに対応。
また、長い歴史を持つ企業でありながらも、タブレットやAI技術などの最新技術を積極的に取り込み、学習の効率化を模索し続けています。
その努力を裏付けるかのように、合格実績も非常に優れており、「東大・京大」をはじめとした多くの合格実績を持っています。
会社名 | 株式会社増進会ホールディングス |
---|---|
代表 | 藤井孝昭 |
創業 | 1931年 |
資本金 | 10,000万円 |
所在地(本社) | 静岡県三島市文教町一丁目9番11号 |
公式サイト | Z会グループ |
クロスロードに隠されたメッセージ!

本作品はどの年齢層に向けたアプローチを想定しているのでしょうか?
この点については明確で、これから受験を迎えることになる中高生がメインターゲットとなっています。
その最大の論拠は、若者に対して人気のあるアニメーション作品であること。
そして、今もっとも注目されている「新海誠監督・佐倉綾音さん・小野賢章さん」といった豪華キャストの起用し、作品の内容からも若者を意識しているということ。
このストーリーの冒頭では、「遠くにあるはずのどこか」という誰もが感じたことのある淡い感情を映像化しています。
これは思春期の青少年に向け、共感を誘う語り出しです。
また、作中では合格発表の段階で終了していますが、その結果については言及されていません。
このことから、受験の「結果」よりも通信講座を利用したことによる学習の「過程」を大切にした構成、つまり親世代ではなく中高生に向けたメッセージであることがわかります。
計算しつくされた圧巻の構成!!短い時間の中で巧みに織り込まれた意図!!

本作で伝えようとしているメッセージについて考察していきます。
CMである以上、題材にしているサービスの利用促進を目的としており、今回であればZ会(通信教育)の利用促進が目的です。
本作品では、その意図や利用にあたってのメリットを作品内の随所にちりばめ、非常に有効的に作用させていることがうかがえます。
まず注目すべき点としては、少年と少女の住環境が大きく異なっている点。
この二人の主人公は遠く離れた地に住みながらも、同じ大学の受験を目指しています。
少女は塾もない離島暮らしであり、環境的には受験勉強に向いているとは言えません。
そこで、Z会の通信教育を利用している姿を通し、「どんな地域でも高水準な教育が受けられること」を印象づけています。

一方、少年は都会に住んでいるものの、学校とアルバイトの二重生活により塾に行く時間はありません。
こちらも通信教育により、家庭でも塾と同等以上の学習ができ、さらに金銭的負担も少ないことをアピールしています。
また、ストーリーの内容もサービスの利用促進に大きな役割を果たしているのです。
少年と少女の交差していく人生や出会いの物語は、多くのアニメファンが好感を持てるものだと思います。
このように、ストーリーによって作品の印象がよくなると、不思議とZ会に対する印象もよくなるものです。
この現象は、心理学で「ハロー効果」と呼ばれています。
端的にいうと、ある物事を評価する際に良い印象を与える特徴があると、その他の物事に対する印象も良くなるという現象。
わかりやすい例では、「字がきれいな人は性格もまじめな人だと思ってしまう」というようなものです。
クロスロードはこのような作品構成とテクニックを用いて、想定したターゲット層に対し、的確に伝えたいメッセージを発信できているといえます。
もはや一つの映画!?CMの枠を超えた豪華すぎるスタッフ!

語らずにはいられないのが、本作品の制作に携わったキャストたち。
新海監督はじめ、アニメ業界ではいわずと知れたビッグネームばかりです。
キャラクターデザインを務めた田中将賀さんは、20年近く作画を手掛けてたベテラン。
新海監督の「君の名は。」や「天気の子」でもキャラクターデザインを務めました。
音楽を務めた「やなぎなぎ」は、nagi名義で大ヒット作「化物語」のEDテーマ、「君の知らない物語」を歌ったことで有名な実力派シンガーです。
新海誠監督が手がけたCM、『クロスロード』が話題になってるようですが!CM中のBGM、やなぎなぎさんが歌う『クロスロード』も大変素敵な曲ですので!是非是非是非!フルでお聞きください!ベストアルバム『LIBRARY』にも収録されております!(謎宣伝)#クロスロード#やなぎなぎ#新海誠監督
— 椿ハル/maaya (@har_289) June 30, 2019
主人公の声を務めた佐倉綾音さん、小野賢章さんはいずれも大人気のトップ声優。
代表作としては、佐倉さんは「五等分の花嫁」の中野四葉役。
小野さんは「ジョジョの奇妙な冒険」にてジョルノ・ジョバァーナ役などが挙げられます。
豪華すぎるキャストについてもSNS上では話題となっており、制作陣の本気度をうかがうことができますね。
「Z会クロスロード」の監督・音楽・スタッフ一覧
企業名 | Z会 |
---|---|
監督 | 新海誠 |
タイトル | クロスロード |
放映開始日 | 2014/02/25 |
キャラクターデザイン | 田中将賀 |
主題歌 | クロスロード |
アーティスト(歌) | やなぎなぎ |
声の出演 | 佐倉綾音、小野賢章、田中正彦、他 |
特設サイト | サイトはこちら |
CMで新海ワールドを楽しめます!

本作品はこれまでの新海作品に多い、少年と少女の群像劇と出会いを描いています。
また、島の自然や煌びやか町の明かりが丁寧に表現されており、新海監督の本領が発揮されていました。
約2分間という短い時間の中で、企業の伝えたいメッセージを正確に伝え、人の心を惹きつける物語。
その制作陣や構成からも、CM制作を超えた意気込みが感じられました。
今後も「新海監督×企業のコラボ」に注目していきたいです。