【新海誠監督×クロスロード】企業とのコラボCMから生まれたアニメ作品を考察・解説

クロスロード
(C) 新海誠 / Z会
社会現象と呼ばれるほどの大ブームを巻き起こしている「新海誠監督」

ヒット作を続々と世に送り出していますが、映画だけではなく企業とのコラボCMも生み出しているんです。
» 新海誠監督と企業のコラボCM一覧

このコラボCMはSNSでも話題になるほどのクオリティ!

「本編からCMに入ったことに気づかない方」
「最新作の宣伝と勘違いする方」
Twitterではそんな方が続出でした。

https://twitter.com/skcn_vab_17/status/1145463347996811264

ここまで世間の注目を集めたCMとはどういったものなのか。
その真相を徹底的に追及し、声優やスタッフなどコラボCMの詳細を紹介していきます。

新海誠監督×Z会のCM「クロスロード」とは?

新海誠監督とZ会のコラボレーションで難関大合格を目指す皆さんを応援します。“大きな目標に立ち向かうのは「ひとりじゃない!」”。新海誠監督とZ会が贈る、あなたへの応援ストーリーです。
出典:クロスロード公式

このCMは新海誠監督と通信講座Z会とのコラボ作品「クロスロード」

大手教育企業の「Z会」が提供している通信講座のCMで、「君の名は。」と同じ新海監督が手掛けた作品です。

その内容は、受験勉強を通し、少年と少女の人生が交差する物語でした。

クロスロードのあらすじと内容

本作で描かれているのは大学受験に挑む少年と少女の日常。

お互いに顔も知らないはずの二人は、「遠くにあるはずのどこか」へ行くという共通の夢に向かって努力を続けます。

離島に住む少女は、遠く離れた東京の大学へ進学することを強く希望しており、塾がない島で通信講座を利用して受験勉強。

一方、東京に住む少年は高校生活とアルバイトの傍ら、同じく通信講座を利用して自宅学習で希望の大学を目指します。

異なる人生を歩み続けてきた二人でしたが、Z会の通信講座を通して知らぬ間に人生は交差していくのでした。

CMでありながら、一つの映像作品としての側面も持ち合わせており、「クロスロード」というタイトルがついています。

新海監督にCM制作を依頼したZ会とは、一体どのような企業なのでしょうか?

日本の教育を支えて90年!Z会とはどんな会社?

クロスロード
(C) 新海誠 / Z会

Z会は1931年に「実力増進会」という名前で新宿にて創立。
それ以降、約90年間日本の教育に携わってきた教育のエキスパートです。

会員の方々から「Z会」の愛称で親しまれていたことから、2006年の社名変更により現在の会社名になりました。

サービス内容は、今回テーマとなっている通信講座をはじめ、対面式の学習塾や参考書の「制作・販売」も行っています。

対象年齢は、中高生はもちろんのこと幼児から社会人までと幅広く、学習科目も「受験対策・英会話・プログラミング・各種資格取得」など、あらゆるニーズに対応。

また、長い歴史を持つ企業でありながらも、タブレットやAI技術などの最新技術を積極的に取り込み、学習の効率化を模索し続けています。

その努力を裏付けるかのように、合格実績も非常に優れており、「東大・京大」をはじめとした多くの合格実績を持っています。

会社名株式会社増進会ホールディングス
代表藤井孝昭
創業1931年
資本金10,000万円
所在地(本社)静岡県三島市文教町一丁目9番11号
公式サイトZ会グループ

クロスロードに隠されたメッセージ!

クロスロード
(C) 新海誠 / Z会

本作品はどの年齢層に向けたアプローチを想定しているのでしょうか?

この点については明確で、これから受験を迎えることになる中高生がメインターゲットとなっています。

その最大の論拠は、若者に対して人気のあるアニメーション作品であること。
そして、今もっとも注目されている「新海誠監督・佐倉綾音さん・小野賢章さん」といった豪華キャストの起用し、作品の内容からも若者を意識しているということ。

このストーリーの冒頭では、「遠くにあるはずのどこか」という誰もが感じたことのある淡い感情を映像化しています。
これは思春期の青少年に向け、共感を誘う語り出しです。

また、作中では合格発表の段階で終了していますが、その結果については言及されていません。

このことから、受験の「結果」よりも通信講座を利用したことによる学習の「過程」を大切にした構成、つまり親世代ではなく中高生に向けたメッセージであることがわかります。

計算しつくされた圧巻の構成!!短い時間の中で巧みに織り込まれた意図!!

クロスロード
(C) 新海誠 / Z会

本作で伝えようとしているメッセージについて考察していきます。

CMである以上、題材にしているサービスの利用促進を目的としており、今回であればZ会(通信教育)の利用促進が目的です。

本作品では、その意図や利用にあたってのメリットを作品内の随所にちりばめ、非常に有効的に作用させていることがうかがえます。

まず注目すべき点としては、少年と少女の住環境が大きく異なっている点。
この二人の主人公は遠く離れた地に住みながらも、同じ大学の受験を目指しています。

少女は塾もない離島暮らしであり、環境的には受験勉強に向いているとは言えません。
そこで、Z会の通信教育を利用している姿を通し、「どんな地域でも高水準な教育が受けられること」を印象づけています。

クロスロード
(C) 新海誠 / Z会

一方、少年は都会に住んでいるものの、学校とアルバイトの二重生活により塾に行く時間はありません。

こちらも通信教育により、家庭でも塾と同等以上の学習ができ、さらに金銭的負担も少ないことをアピールしています。

また、ストーリーの内容もサービスの利用促進に大きな役割を果たしているのです。
少年と少女の交差していく人生や出会いの物語は、多くのアニメファンが好感を持てるものだと思います。

このように、ストーリーによって作品の印象がよくなると、不思議とZ会に対する印象もよくなるものです。
この現象は、心理学で「ハロー効果」と呼ばれています。

端的にいうと、ある物事を評価する際に良い印象を与える特徴があると、その他の物事に対する印象も良くなるという現象。

わかりやすい例では、「字がきれいな人は性格もまじめな人だと思ってしまう」というようなものです。

クロスロードはこのような作品構成とテクニックを用いて、想定したターゲット層に対し、的確に伝えたいメッセージを発信できているといえます。

もはや一つの映画!?CMの枠を超えた豪華すぎるスタッフ!

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(C) 新海誠 / Z会

語らずにはいられないのが、本作品の制作に携わったキャストたち。
新海監督はじめ、アニメ業界ではいわずと知れたビッグネームばかりです。

キャラクターデザインを務めた田中将賀さんは、20年近く作画を手掛けてたベテラン。
新海監督の「君の名は。」や「天気の子」でもキャラクターデザインを務めました。

音楽を務めた「やなぎなぎ」は、nagi名義で大ヒット作「化物語」のEDテーマ、「君の知らない物語」を歌ったことで有名な実力派シンガーです。

主人公の声を務めた佐倉綾音さん、小野賢章さんはいずれも大人気のトップ声優。

代表作としては、佐倉さんは「五等分の花嫁」の中野四葉役。
小野さんは「ジョジョの奇妙な冒険」にてジョルノ・ジョバァーナ役などが挙げられます。

豪華すぎるキャストについてもSNS上では話題となっており、制作陣の本気度をうかがうことができますね。

「Z会クロスロード」の監督・音楽・スタッフ一覧

企業名Z会
監督新海誠
タイトルクロスロード
放映開始日2014/02/25
キャラクターデザイン田中将賀
主題歌クロスロード
アーティスト(歌)やなぎなぎ
声の出演佐倉綾音、小野賢章、田中正彦、他
特設サイトサイトはこちら

CMで新海ワールドを楽しめます!

クロスロード
(C) 新海誠 / Z会

本作品はこれまでの新海作品に多い、少年と少女の群像劇と出会いを描いています。

また、島の自然や煌びやか町の明かりが丁寧に表現されており、新海監督の本領が発揮されていました。

約2分間という短い時間の中で、企業の伝えたいメッセージを正確に伝え、人の心を惹きつける物語。

その制作陣や構成からも、CM制作を超えた意気込みが感じられました。

今後も「新海監督×企業のコラボ」に注目していきたいです。